彼女がそれを買う5秒前、「背伸びしたいワタシ」の“本能”が背中を押す

【前回コラム】「買う5秒前、何があなたの背中を押したのか?」はこちら

1人の新人OLがいる。トシは22、3。親のコネで中堅どころの商社に入ったけど、仕事にモチベーションを感じず、学生時代から付き合うカレはメーカーに入って名古屋に赴任。当面の悩みは空いた金曜夜の過ごし方という、どこにでもいるOLである。

そんな彼女が、とある週末、雑誌の『CanCam』を買おうと自宅近くのコンビニに入った。左に折れ、窓際の雑誌棚へ。だが、そこでふと別の雑誌に目が留まる。それは、自分よりもちょっと年上をターゲットにした姉妹誌の『AneCan』。この時、ポンっと彼女は背中を押され、気が付けば、『AneCan』を持ってレジへ–。

買う5秒前、何が彼女に心変わりをさせたのか?

——「背伸びしたいワタシ」である。若い女性が雑誌を購入する際、その手の“本能”が、彼女の背中を押すことが少なくないのだ。

そう、本能。

思い返せば、かつてキャバクラ嬢の教科書として一世を風靡した『小悪魔ageha』も、実際の主要読者層は女子高生だったらしいし、その女子高生をターゲットに作られているはずの『Seventeen』も(何しろ誌名が「17才」だ)、今や読者の主体は女子中学生である。そうそう、先のagehaシリーズは、今は姉妹誌の『姉ageha』のみが復刊されていることからも、読者の「背伸びしたいワタシ」志向が見える。

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草場滋(「指南役」代表)
草場滋(「指南役」代表)

メディアプランナー。エンターテインメント企画集団「指南役」代表。テレビ番組『逃走中』(フジテレビ)の企画原案、映画『バブルへGO!!』(監督・馬場康夫)の原作協力、雑誌連載「テレビ証券」(日経エンタテインメント!)の監修など、メディアを横断してプランニング活動を行う。著書に『キミがこの本を買ったワケ』(扶桑社)、『タイムウォーカー』(ダイヤモンド社)、『「考え方」の考え方』(大和書房)、『情報は集めるな!』(マガジンハウス)、『幻の1940年計画』(アスペクト)、『テレビは余命7年』(大和書房)ほか。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。

草場滋(「指南役」代表)

メディアプランナー。エンターテインメント企画集団「指南役」代表。テレビ番組『逃走中』(フジテレビ)の企画原案、映画『バブルへGO!!』(監督・馬場康夫)の原作協力、雑誌連載「テレビ証券」(日経エンタテインメント!)の監修など、メディアを横断してプランニング活動を行う。著書に『キミがこの本を買ったワケ』(扶桑社)、『タイムウォーカー』(ダイヤモンド社)、『「考え方」の考え方』(大和書房)、『情報は集めるな!』(マガジンハウス)、『幻の1940年計画』(アスペクト)、『テレビは余命7年』(大和書房)ほか。ホイチョイ・プロダクションズのブレーンも務める。

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