「コンテンツマーケティングの実験フェーズは終わった」——SXSW2015にみた、今後の可能性

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次世代技術によって生み出されたツールや、それを駆使した新しい表現などが毎年話題になる同イベントを、HEART CATCHの西村真里子さんに「コンテンツマーケティング」の視点から振り返ってもらった。

印象に残った、「ファッション×テクノロジー」

ミュージック、フィルム、インタラクティブの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 2015」。インタラクティブから始まり、ミュージックの祭典でフィナーレを迎えるまで、テキサス オースティンの街はお祭り騒ぎである。
面白いのは、インタラクティブ期間とミュージック期間の前半・後半で、来場者の層やファッションががらりと変わること。スーツを着ているビジネスパーソンから、タトゥーたっぷりの陽気なミュージシャンまで、SXSW期間全体を通して人の移り変わり、そして来場者のファッションの違いを楽しむことができる。

ファッションといえば、Apple Watchを筆頭にウェアラブルデバイスの台頭により、「ファッションとテクノロジーの融合」が話題になりそうな2015年らしく、ファッションとテクノロジーをつなぐ組織「DECODED FASHION」もSXSWでイベントを開催していた。 ニーマンマーカスやザッポスのようなショップ、ウェアラブルデバイス開発を手掛けるMisfitとの協業を発表しているスワロフスキーやディーゼルといったブランドと並び、テクノロジージャイアントのGoogleがファッションイベントに名前を連ねているところが2015らしくて良い。3Dプリンターテキスタイルや音に反応する衣服、洗濯可能なバッテリーなど、テクノロジーの進化によりファッション業界がバージョンアップしていく可能性を感じるセッションも多数見受けられた。

ブランドプロモーションという視点でSXSWを解説するのであれば、メインイベントをスポンサードするマクドナルドやマツダなどは、セッション会場の至るところにブランド名が露出される。マクドナルドにおいてはヘルスケアソリューションのメインスポンサーにもなっていた。「マクドナルドがヘルスケア関連のスポンサー」となることには矛盾を感じるが、この矛盾=来場者の心にひっかかりをつくることがスポンサードの狙いであれば、スポンサーシップの対価を十分得ていたと言えるだろう。

SXSWは、リアルなネットワーキングにこそ価値

オースティンの街全体が祭りになるSXSWでは、バーやレストランを借り切って「GEバーベキュー」や「Yahoo! ディスコ」、「YouTubeライブハウス」などメイン会場以外でもブランドとコミュニケーションできる場所が用意されているのが特徴的だ。SXSWの楽しみ方はセッションや展示ブースで情報を収集するだけではなく人とのコミュニケーションにもある。ブランドやインフルエンサーが集まるパーティーをどのように企画しているか?を体験するのもSXSWでの学びの一つである。

アメリカの著名なジャーナリストでありニュースキャスターであるダン・ラザーと、オバマ選挙キャンペーンを司ったホワイトハウスの上級顧問 ダン・ファイファーの基調講演でも「10年後にはテレビの夜のニュース番組はなくなっているかもしれない。ただSnapchatのような気軽なコミュニケーションツールや、SXSWのような人々が集まるイベントでの情報交換は10年後も存在するだろう」と述べていたように、一方通行の情報発信はなくなり、インタラクティブな情報共有に価値を置く人々が今後ますます増えていく。
マーケターとしてはブランド体験をカスタマーやプロスペクト(見込み顧客)にどのように共有してもらうかが、さらに重要になる。

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