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しかし、こうした動きに、記事と広告を「馴染ませる」のがネイティブ広告なのに、どうして「広告表記」を強化するのか!とジレンマを感じる人(主に制作側や広告主など)がいるようです。そこには、バナー広告などが低調の今、「広告を、広告として見せたくない」という業界人の複雑な心境が見え隠れしているのだと思います。
どういうことか? ここからは二つ目の「表現(コピー)」の問題です。
現状の記事広告を見て気になるのは、形式ばかりの「記事マネ」になっているケースが多いことです。長めの文章と解説調の語り口で「記事」を装うあまり、商品の魅力をストレートに伝え切れず、まわりくどいだけの文章に終わっている広告… これは、書き手が「広告は読んでもらえない」と思い込み、できるだけ「広告臭」のない原稿に仕上げようとしたのでしょうが、結果が「ダラダラとした読み物風」では本末転倒です。従来の「広告的な」アプローチが通用しなくなってきているという意識の持ち方はいいのですが、広告を記事のように「見せかける」ことが目的になってしまうと、肝心の「売り」がコピーから抜け落ちます。一般的に「ネイティブ広告は物販よりブランド認知などに有効である」と言われるのも、そんなところに原因があるのかもしれません。
そうかと思えば、ネイティブ広告は「クリックを稼ぐためにあるのだ!」と言わんばかりに、記事調のタイトルから、いきなり「広告まるだし」のランディングページに飛ばすケースも見かけますが、これではせっかくの「ネイティブ」が活かされないばかりか、先ほどの調査にもあった閲覧者の「騙された気分」を煽ることにもなりかねません。クリックさせる文言と、その後に表示する情報の内容はきちんと整合させておくべきです。
「ネイティブ」な表示によって、広告が「クリックされやすく」なることは大いにけっこうですが、最終的に「商品の販売」や「資料請求」など広告としての成果を上げるには、むしろクリック後のページが大切です。そのページの内容が「売りの抜け落ちた読み物風」や「これまで通りの広告まるだし」では、ネイティブ広告も早晩、飽きられてしまうと思います。これまでの広告がクリックされなくなったのは、「広告」だからではなく、そこに役に立つ情報がないと期待されなくなってしまったからです。ここはぜひ、クリエイターの皆さんにもう一度、「記事広告コピー」を研究してもらいたいと思うのです。「ネイティブ」なWEB上は、魅力のあるコンテンツさえ作れば、記事も広告も区別なく、読んでくれるしシェアもしてくれます。研究成果を試す場所としてもってこいの環境なのですから。
それでは、コンテンツ作りに必要なヒントを一つだけ。「売る側として何を伝えたいか?より、読む側が知りたいことはなんだろう?と考える」ことです… あれ、このフレーズどこかで目にしたことがあるような…と感じた方、いらっしゃいませんか?
実はこれ、本コラムの第1回目「広告のコトバが、どんどん弱くなっている」の中にある一文です。確かこのコラムを始めた頃は、ネットではなく通販カタログのコピー論について書いていたはずなんですけどね——
◯△君、メールの前にもう一回だけ、コラムにお付き合いください!
(続く)
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