さまざまなるライオン−−博報堂 スダラボ 須田和博レポート

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【執筆】
博報堂 スダラボ シニア・クリエイティブディレクター 須田和博

去年につづき、今年もカンヌに来ました。去年は、「国際広告賞を獲る事例の共通性」について「新しい普遍」と題し、スダラボのPRとも合わせて、毎朝1投稿し続けました。これは、なかなか大変でしたが、荒行(あらぎょう)の甲斐あって、短期集中で思考をまとめるのが、おおいにはかどりました。

今年は、そんなにガツガツせずに、のんびりやろうと思っていましたが、気がついたら、、もう金曜日!日本のカンヌ・ウォッチング・ウィークの平日勤務日がちょうど終わってしまいました。

ここで何か書いておかないと、何しに来たのかよくわからない、ただ南仏に飲みに来ただけのヒトみたいにになってしまうので、1投稿だけさせていただきます。

キリッとした文章は、去年さんざん書いたので、今年はユルい文章にて失礼いたします。

「さまざまなるライオン」とは、当初、いろんなヒトにマイベスト3を聞いてソレを書こう、、とか思っていたのですが、傾向が出揃うまでみな様子うかがいで、何がベストか、さっぱりわからないような感じだったので、当初の企画は捨て、日曜から昨日までの5日間でおおよそ見えた、自分にとっての「さまざまなライオン」を書きます。

【どんかぶりライオン】

水曜の夜の3回目の贈賞式で、デザイン部門とサイバー部門の発表があり、そこで、おおよそ今年のカンヌの「総ナメ系」の事例群が出揃い、「だいたいわかったな」と思いました。

毎度といえば毎度ですが、プロモ&アクティベーションも、デザインも、サイバーも、ほぼ同じモノがあっちでもこっちでも金を受賞します。これは何を意味してるんだろうなーと考えると、要は、部門とかサブカテゴリーは「本質ではなく抽出のプロセスなんだな」ということです。

応募する側にとっては、どの部門の、どのサブカテゴリーに出すか?は、非常に重要な問題です。出しどころによって、刺さり方・評価のされ方が違うからです。

しかし「2015年のカンヌ・ライオンズ」という視点に立つと、部門とかサブカテは実はどうでもいい。3部門くらいを総ナメにした事例が、その年の「新しい広告トレンドの有り様」をシンボライズするものになります。

「今年はこうだったね」という時、それがサイバー部門なのか、デザイン部門なのか、プロモ&アクティベ部門なのかは、実は問われない。ていうか、どうでもいい。

3部門以上でゴールドを獲っている事例を5つくらい並べて、今年のカンヌは何を結果的に提示したのか?を考えることにこそ価値があると思います。そして、来年どう挑むんだ?と考えることに。

それは、審査員団の「未必の故意」であり、「集合無意識」として顕在化したモノなんだな、と。

【イノベーションでもないライオン】

自分は今年は「ライオンズイノベーション」を集中的に見よう!と思ってやって来ました。そして、昨日、つまり木曜からそれが始まったのですが、、うーん微妙。なにコレ?と思ってしまいました。

イノベ・ライオンは本会場の3階から接続しいてる別棟の1フロアで行われているのですが、一見、コンベンション風のスタイルを採りながら、見本市のような展示はなく、壁のないプレゼン・ステージが3つ、会場内に隣接しあっています。

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木曜の午後2時から「インスピレーション・ステージ」を、オラクル→デジタスLBI→アイソバー→フェースブック→マインドシェア、と最前列かぶりつきで見続けましたが、、正直ピンと来ませんでした。

もっとテックの話が聞けるはずだと思っていたのですが、全然。概念の話が大半で、具体的なイノベーションがこちらのステージでは、あまり紹介されなかったのです。

自分は「概念を語る側の人間」なので、「仕込みの時間」としては「具体的なテック」の話を聞きたかったです。普段、そういう場に行きすぎてるから、違和感があるのかもしれません。

途中、マインドシェアのプレゼンテーターが冗談でポロっと言った「トゥ・オールド・エージェンシー・ピープル」という一言で、合点がいきました。この場はイノベ・ライオンと言っても、ノン・テック・ピープルへのプレゼンの場なんだな、、ということ。

しかし、概念だけで語られると、どの会社も同じように見えて、各社のエッヂがわからず、大差ない5コマを聞き続けたような格好になりました。

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