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カンヌ4日目−−ラジオ部門/デザイン部門/プロダクトデザイン部門/サイバー部門審査員インタビュー【編集部カンヌ通信】

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あと2部門。プロダクトデザイン部門は、昨年設立されたばかりのまだ若い部門です。審査員長はアメリカのデザインコンサルタントであるダン・フォルモサ。

グランプリに選ばれたのは、Lucky Iron Fish「Lucky Iron Fish Project」(Geometary Global Dubai)。鉄不足を補うために料理中の鍋に入れる鉄の塊(日本で言うところの鉄玉子)を、カンボジアで幸運を意味する魚の形にしたことで、一般家庭に普及させることに成功したというものです。

「ロボットからカーボードゲームまで、あらゆる種類の応募があった。でも私たちはこの上なくローテクなものをグランプリに選んだ。Lucky Iron Fishはデザインの力だけでLife Changeを成し遂げている。それが素晴らしい」。

IoT的なプロダクトももちろん入賞しています。モバイルなどでも受賞していたHammerhead Navigation「Hammerhead」(R/GA)は、自転車に取り付けるT字型のナビシステムで、スマートフォンのGPSシステムと連動し、行くべき方向を光でシンプルに指し示し、安全な走行を実現するというもの。

ラジオ部門でグランプリを獲ったのは、ベルリンの壁崩壊の前にここで命を失った120人の男女の存在を、ショッキングな音で表現したラジオCM。壁のビジュアルにオーバーラップして表現された音のバーを再生すると、様々な叫び声、銃声が過去にここであった出来事を伝えてくれます。

過去の出来事を情報としてではなく、感情の記憶として伝える試み。結構ドキッとするので、聞くときには気をつけてくださいね。

■Soundcloud「The Berlin wall of sound – The Most Unbearable Radio Ad」(Grey Germany) ※サイバーでもゴールド受賞

「トラディショナルなラジオCMではないが、音の可能性を最大限に生かした作品。ラジオは音という単一の表現手段しか持たないが、表現できる範囲はすばらしく広い」と審査員長のポール・リアドン(ワイビン/TBWAグループ オーストラリア)は言っていました。

審査員たちは、それぞれの部門で何十時間と議論を尽くし、結果を出してきます。また基本的に、そのメディアが大好きで仕方ない、という人の集まりです。

審査における政治的な駆け引き、という話もよく聞きますが、基本的には大好きなものについて、大好きな人同士でとことん話し合える、というのは得難い場であることは間違いないと思います。

万人に納得がいくものかどうかは別にせよ、自分たちはこの結果に本当に誇りを持っているのだ、という態度をどの審査員長も表明していたのが印象的でした。

cannes_report


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