メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

映画も音楽もCMも、現場が生き生きしていないとダメ!(ゲスト:浅野忠信さん)

share

映画やテレビでのカッコいい役どころはもちろん、最近ではインスタグラムでお茶目な一面も披露している浅野忠信さん。浅野さんって本当は一体どんな人? 知られざるミュージシャンとしての活動から、演技にかける思い、CMへの提言(!?)まで、たっぷりと語っていただきました。

今回の登場人物紹介

左から、澤本嘉光(すぐおわパーソナリティ)、権八成裕(すぐおわパーソナリティ)、浅野忠信、中村洋基(すぐおわレギュラーゲスト)。

※本記事は7月3日、10日放映分の内容をダイジェスト収録したものです。

40代が歌って踊れる曲をつくりたかった!

中村:今週はなんと、浅野忠信さんに来ていただいています。実は、番組のFacebookに初の出演オファーをいただきまして。浅野さんは、バンドSODA!のセカンドアルバム『SKYBLUES!』が6月にリリースされたとのことで、おめでとうございます!

浅野:ありがとうございます。

澤本:以前からバンドもやっていらっしゃるとは知っていたんですが、実はちゃんと聴いたことがなくて。今回色々検索してライブ動画を見てみたら、ずっと叫んでるし、アジってるしで大変な(笑)。基本的にはライブバンドなんですか?

浅野:いわゆるインディーズで、自主制作でやってます。周りにバンド仲間が多かったので、そういう方たちとツアーを回ったりとか。いわゆるパンクロック系な人が周りに多かったんで、いつも叫び倒していますね。

権八:いいですよね、過激な感じで。僕が見たのは「yeah!」って曲のライブ映像なんですけど、「イエーって叫ぶだけだから!頼むよ!」みたいな感じで(笑)。

澤本:作詞も作曲もされるんですよね?どちらが先というのはあるんですか。

浅野:どっちかが先の場合もあるし、同時進行でやってる場合もあるし。曲によって違いますね。

中村:ちなみに、今回のアルバムはどんな作品なんでしょうか?

SODA! 『SKYBLUES!』(microAction)

浅野:以前から、ダンスできそうなポジティブなエネルギーのある曲にしたい、そういう曲をやるバンドにしたいと考えてました。ファーストアルバムをつくったときにその通りのものができたし、メンバーの持ち味を生かせた感じもあったので、セカンドアルバムはファーストで得たよい部分をもっと活かそうとチャレンジした部分がありますね。

権八:歌詞を聴いていると非常に映像的というか。青春映画のワンシーンを見てるような、疾走感や生き急ぐ感じ…そういうドライブ感が出ていてカッコいいなと思うんですけど、こういうノリってどこから出てくるんですか?

浅野:30代のとき、俳優としてとても大きな変化が自分の中にあったんです。色々なチャレンジをして、大変な思いもしたけれど、得るものもとても大きくて。そういう変化の中で、簡単ではない毎日をどう乗りきるかを考えたときに、こういう音楽を自分に対してつくる、というのがひとつの答えだったんです。聴いてもらうとわかるんですが、ループしている曲が多いんですね。

権八:そうですね。

浅野:同じフレーズをひたすら繰り返すことによって生まれる力強さみたいなものが、そのとき自分にはとても必要だったんです。ここからポジティブなエネルギーを受け取って、大変な日もあるけれど、この曲を聴いてもう一度前向きにチャレンジしよう、希望を持って明日もやってみようという気持ちになりたかったんですよね。

澤本:最近の曲ってものすごく歌詞が長いじゃないですか。浅野さんの曲はその対極で。何回もループして聴いているうちに覚えちゃうし、身体が動いちゃう。こういう曲を聴いたのが久しぶりだったので、すごく新鮮でした。

浅野:嬉しいですね。

権八:若い世代の子たちがこの曲を聴いたら、すごい新鮮なんじゃないかと。浅野さんの曲は、10代の頃にこういうことを思ってたということを思い出させてくれます。僕は浅野さんとほぼ同世代で、生まれも横浜の栄区と戸塚区で非常に近くて。だから今日は一方的に親近感を覚えているんですが、90年代の横浜のあのへんで流れていた空気とか雰囲気がすごくわかるというか・・・

浅野:いまお話しいただいたように、10代の頃の気持ちや感じを大切にしたいと思ったんですね。というのも、40代になって思うのは、日本って何でも若い子向けに作られているな、と。主役はあくまで自分じゃないといけないと思ったんです。40代のおじさん・おばさんがライブハウスでガンガン踊って、この日々の苦しみを乗り越えようじゃないか、みたいな。ネガティブなメッセージは抜きで、踊ろう、歌おう、楽しもう!みたいな。

中村:このアルバムにはプラスオンで特典ダウンロードできる8曲というのもあって、この中に「あっあっあああ!」という曲もあるんですけど(笑)、これは?

権八:面白い。センスが本当に。

浅野:僕、37年間くらい、「あ」の書き方を間違えてたんですよ。

一同:えっ??

浅野:まず横棒引いて、縦引いて、グルッと行くじゃないですか。そのグルッが横棒突き抜けてたんですよね、僕。

一同:えっ・・・?

浅野:わかります?

澤本:ああ、はいはいはい、上に行ってたんだ!

浅野:それを37歳くらいのときに指摘されて。僕は「いやいやわかるよ。出ない人もいるけど、出てもいいんだよね」と言ったら、ダメですと言われて。

一同:爆笑

浅野:一番はじめに習う字を37歳まで間違えて来たんだと思って。そこから、「あ」に対する考え方が人一倍膨らみまして(笑)。俺は「あっ」と言わせるほど、「あ」に関しては間違ってきたぞという。

澤本:面白いな~。

権八:天才ですね。

澤本:本当に天才だと思う。言語感覚がすごい。この特典ダウンロードの曲、タイトルを続けて読むと何か面白い文章になるんですよね。「ジグザグ!」「着火!」「あっあっあああ!」「ととと止まらない!」「助けてやれ!」「ウェイクアップ!」「俺はブルースなんか!」「モトクロス!」って。

一同:

浅野:僕も気づかなかったです。新しい発見でした。

澤本:詩ですよ、これは一つの。

次ページ 「浅野忠信さんにCMコンテの説明に行ったら・・・」へ続く