2.ビジネスに影響を及ぼす点を見極める
2番目は、もっともオーソドックスなアプローチです。マーケターが新しさに注目する上でのポイントは、自社のビジネスや業界に影響を及ぼすかどうかを判断することです。
新しいマーケティング手法の恩恵にあずかる消費者が、自社のビジネスターゲットのどの程度の割合を占めるか。または、自社のビジネスのカスタマージャーニーにどの程度影響を与えるのか。たとえば、いま現在はその影響力が無視できるくらい小さいとしても、どのくらいの期間でそれが大きな需要になるかを考えることは重要です。
このアプローチは意思決定するマーケターのみならず、協力会社のエージェンシーや担当チーム全員で、新しいテクノロジーについての「ビジネスインパクト」を分析することをおすすめします。そうすることで、新しい手法についてチーム全員での理解が高まり、どう対処すべきかのロードマップを準備することができるからです。
3.影響力を測るためにテストを繰り返す
すでに多くの点で新しい手法を実施している企業は、おそらくこのようなアプローチをすでにしていると思います。高速PDCAをすでに回しているような運用型のチームをマネジメントしている場合は、新しい手法は小規模でテストする対象になっているはずです。
テストを採用する判断基準は、どのような効果を期待しているかのKPI(目標値)の設定が欠かせません。KPIが明確であるということは、その手法に対して何を求めているのか、どんな点を検証したいのかが事前に基準がクリアになっているということです。
新しさに意味があるとしても、企業にとってはどこまでその基準が達しているかどうかは試してみなければ分からないケースもあります。データを元にしたセグメント別のアプローチの施策などは、ただ一回だけ試してみるということではなく、運用しながらその効用について的を絞っていくようなことが多いでしょうから、まさにこのようなPDCAを回す運用体制があっての方法です。
以上、3つの方法について解説しましたが、これらは飽くまで典型的な例を挙げたに過ぎず、実際は様々な思惑が重なって新しい施策というのは取り入れられることが多いはずです。新しいアプローチについて日々検討しているマーケターの皆さま、ぜひ同じような悩みや懸念を抱えているマーケター同士で情報交換していきましょう。
「マーケティング・ジャーニー ~ビジネスの成長のためにマーケターにイノベーションを~」バックナンバー
- 「タイパ」はどのように活用できるか?顧客の体験価値を高める5つのパフォーマンス(2022/11/16)
- 個人について知らなくても集団の動きは予測できる パーコレーション理論がデータ利活用に規制のある時代にマーケターに与えるヒント(2022/4/04)
- なぜ日本企業は累計3000億ドル以上、「スタチン」の売上を得られなかったのか? 「偽の失敗」を見極めてイノベーションを育む(2022/3/01)
- 日本企業からイノベーションが生まれないのは、「失敗が足りない」から?(2022/2/25)
- 「ノイズ」を避けるために、マーケターが持つべき「統計的思考」と「判断の構造化」(2022/2/18)
- マーケターが知るべき人間の判断にまつわる「ノイズ」と「無知」(2022/2/16)
- ヴァージル・アブロー風“デジタルの現実をここに”-CES2022に新たな解釈(2022/2/08)
- なぜ、シニアよりミレニアルが重視されるのか?-メディアと所得の年齢別「格差」(2021/10/06)
新着CM
-
広報
メディア取材を増やす広報企画10の原則、上手い広報が実践しているコツ
-
広報
企業広報を経験したから見えてきた「行政広報の不思議」とは?
-
広告ビジネス・メディア
三井不動産やテレ朝HDが出資 VTuber事業などのBrave group
-
AD
Bigdata × Technology 未来の価値を創造する データソリューシ...
-
販売促進
「青と黄色のVポイント」がスタート 特定の経済圏を意識せず、CCCMKHD
-
広報
塩分2g以下の「塩対応料理」を数量限定で無償提供、高血圧治療の啓発図る
-
AD
特集
効果がわかる!デジタルOOHの活用事例
-
広報
創業273年の熊本の味噌・醤油メーカー、「麹の魅力を発信する施設」をオープン
-
人事・人物
アドビ社長に元マイクロソフトの中井陽子氏が就任