「PRは、広告への劣等感を捨てるべき」——PRWeek編集長が語る「PESO」とは?

share

1989年に創刊した米国のPRプロフェッショナル向け専門誌「PRWeek」の編集長、スティーブ・バレット氏がこのほど来日した。広告業界向けの「Campaign」などで知られるHaymarketMedia社が発行元で、印刷媒体だけでなくオンラインメディアやカンファレンス、「PRWeekアワード」など広く事業を展開している。

今回の来日は日産自動車をスポンサーとした日本でのラウンドテーブル企画(10月1日に日産本社にて開催)の一環であり、バレット氏の来日は2012年以来、2度目となる。

バレット氏は今週、主要PR会社などを訪問しており、9月30日には日本パブリックリレーションズ協会が主催するセミナーに登壇。月刊『広報会議』にて毎号、米国のPR事情をレポートしているコミュニケ-ションストラテジスト・岡本純子氏の司会のもと、「ブランドと企業広報におけるメディアミックスの新手法を探る」というテーマでプレゼンが行われた。

PRパーソンも広告を使う グローバルPRの土台となる「PESO」

バレット氏はグローバルPRの潮流を語るにあたり、「PESO」というキーワードを挙げている。日本でも「トリプルメディア」という概念で語られるPaid media(広告)、Earned media(PR)、Owned media(ブランデッドコンテンツ)のほか、Shared media(ソーシャルメディア)を加えたのが「PESO」だ。

なお、日本ではEarned mediaをShared media(ソーシャルメディア)と同義に捉える解釈も見られるが、この場合のEarned mediaは「PR(メディアリレーションズを含め、会社の評判を「獲得する」活動全般)」を指すと定義し、Shared mediaとしての「ソーシャルメディア」と切り分けている。

従来は、出稿コストがかかるPaid mediaはPRパーソンにとって無縁とされてきたが、「PRパーソンがオンライン広告の出稿を担当するケースも増えている。Facebookなどソーシャル上で効果的なキャンペーンを実施するには、オンライン、モバイルのPaid mediaへの関与が必要」とバレット氏は指摘した。

加えて成長しているのが、ブランデッドコンテンツなどのOwned mediaだ。PRパーソンが自らメディアのオーナーとなり、プロデューサーとなる動きが加速している。その先行例として、2011年からスタートしているコカ・コーラ社のコンテンツポータルの取り組みを挙げた。

「自社に関するマイナス報道(炭酸飲料の規制)に対し、自社メディアで反論する記事を掲載。この記事がソーシャルメディアでシェアされ、他の報道機関がその動きを見て後追いの報道につながった。earned media(PR)のハブとしても機能するのが自社メディアの存在意義」とし、「PESO」がいかにPRの仕事と密接に関わるかを説明している。

さらに米国のエージェンシーではデジタルコンテンツなどに特化した新部門が設置されたり、世界最大手のエデルマンがジョイントベンチャーでブランデッドコンテンツ制作を行う専門会社を設立したりと、新たな動きも出てきている。

次ページ 「PRに求められるスキルに変化「広告への劣等感は捨てるべき」」へ続く

Follow Us