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プロジェクトマネジメントを成功させるための3つのフェーズ(前篇)

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プロジェクトマネジメントで絶対におさえるべき点

1)プロジェクトをプランニングする

大事なのはプロジェクトの実行に入る前に、プロジェクトの組み立てを行うことです。具体的に言うと、4W (Why、What、How、When)を、自分の頭で具体的にイメージすることです。

・Why
Whyというのは、なぜこのようなゴールを達成する必要があるのか?という理由です。この理由や背景が自分で納得できていないと、自分でもゴールを達成したいという意欲もわかないですし、なにより、後述するように人のアサインをして、チームを作る際に、メンバーのモチベーションを引き出すことができません。結果として、ゴールも達成することができないでしょう。

当たり前にも思えますが、このWhyが理解できていないまま、実施しているプロジェクトは結構多くありませんか?たとえば、クライアントから背景事情の説明なしに、何かを依頼されて、なぜ実施する必要があるのか理解しないままなんとか実行してしまう・・こういう状況では、かならず背景を十分にヒアリングして納得してから事にあたるようにしてください。

・WhatとHow
WhatとHowというのは、ゴールを達成するにあたって何をどのようにすればよいのか、ということです。具体的には、アウトプットや作業を具体的にイメージすることが重要です。前出の商品購入のプロジェクトであれば、1人で60個の商品をバラバラの店舗で買うとしたら、一度に持てるのは10個が限界だから、バラバラの6店舗くらいで購入し、会社に6往復して運搬しなくてはいけない・・といった作業イメージです。

1つの作業でゴールまでたどり着けるのは稀なので、それぞれの作業をどのようにつなげていくとゴールを達成できるか、という部分も同時に具体的にイメージすることが必要です。プロジェクトマネジメントの概念を知らない人は、具体的な作業イメージがないまま、人に仕事を依頼するので、作業やそこから出てくるアウトプットが意図と異なることがよくあります。

・When
Whenというのは、どのようなタイムラインで実施するのか、という組み立てです。ゴールから逆引きしたときに、いつまでに何ができていないといけないかを明確にします。前出のプロジェクトであれば、火曜日の11時に届けるためには、梱包の時間も考えて、9時までには、60個の商品をある場所に用意しなくてはいけない。そのためには、タクシーで30分くらいかかるので、8時半には会社を出なくてはいけない。それまでには、商品が60個そろっていなくてはいけない・・というようにWhatとHowを時間軸でうまくつなげながら、具体的にいつまでに何をしていないといけないのか、をイメージします。

プロジェクトの組み立てのポイントは、自分の頭の中で「事前に」「具体的に」「イメージする」ことです。あなたの頭の中でイメージできていないものは、他の人もイメージできません。上司・部下といった関係性や権力を使えば、無理やり作業をさせることはできるかもしれませんが、モチベーションを引き出したり、より良い提案を受けたりすることはできません。ゴールの達成も危うくなってしまいます。残りの2フェーズについては、次回ご紹介します。


村上 知紀
株式会社フロンテッジ ソリューション本部 デジタルマーケティンググループ グループ長/シニアディレクター

複数の外資系デジタルエージェンシーを経て独立後、2009年から広告代理店の株式会社フロンテッジに参画。 WEB黎明期から現在までの間に、インターフェースの開発、プロジェクト・マネジメント、コンサルティングといった幅 広い業務経験を持つ。直近では、4年程度、グローバル企業に常駐しながら、デジタル関連プロジェクトをリード。著 書に『デジタル・クリエイティビティ』『ウェブ解析力』『Webマーケティング基礎講座』等がある。

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