メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

「CES2016」現地レポート(3)IoT関連の展示から考察する企業コラボレーションとエコシステム

share

Mother×nest

nestと連携可能したmother。motherは、家庭内で使えるセンサーで、乳幼児やお年寄りをセンサーでモニターが可能なIoTガジェット。さらに、Cookieという小さな端末を様々なモノに貼り付けることで、既存のモノがIoT化します。活用の仕方は、例えば薬の瓶にCookieを貼り付けると、毎日必要な時間に瓶を動かしているかモニターをして、薬の飲み忘れを防ぐことができます。Motherは、nestのAPIを活用することで、motherで得られたセンサー情報をnestに提供し、家庭内の空調コントロールを可能にします。
※nest:Googleが2014年に買収した、家庭向けIoTサーモスタット。家庭内の調温機器で、空調センサーとCPUを内蔵し、利用状況を学習して、自動的に最適な空調を可能にします。APIを通じた他の家電や自動車やネットサービスとの連携が可能です。また、プロダクトやディスプレイのUI/UXが非常に優れているのも特徴の商品。)

SAMSUNG×Smart thing×多くのConnected home対応製品

SAMSUNGは、2015年CESでSmart thingsというConnected homeプラットフォームを提供するベンチャーを買収して、SmartThingsを通じてオープンな環境でIoTビジネスを推進することを発表しました。2016年の展示(写真)ではSmartThingsを中心に、自社プロダクトに留まらず、PHILIPS、GE、その他多くの企業の製品が接続されることを展示で表現。SmartThingsとそれを活用するクラウドサービス、エコシステムを築くAPIの展開により、IoT領域の主導権を狙っています。

Amazon echo×Ford

Fordは、昨年発売されたamazon echoとFordのConnected carのプラットフォームであるsyncとの連携により、家庭内で音声により自動車をコントロールしたり、自動車から家庭内の家電をコントロールしたりすることを可能にしています。CES2016では、他にも多くの企業がamazon echoとの連携を展示・発表していました。
※amazon echo:音声認識可能な人口知能搭載のスピーカー。昨年より米国で発売を開始。echoは、Alexaというクラウドベースの音声認識ソフトウェアを介して、echoと接続する様々なIoT機器との接続を可能に。AlexaはAPIと開発者向けプログラムが提供され、様々な企業がAlexaを通じてechoを活用することができます。

LGが同居するフォルクスワーゲンの展示ブース

フォルクスワーゲンとLGはIoT分野で提携していて、LGの提供するConnected homeプラットフォームにVolkswagenがコネクトすることを紹介しています。

PHILIPS×iHealth

PHILIPSは、iHealthと提携をして、PHILIPSの展示ブースに同社のヘルスケア計測機器を展示。iHealth社は、ヘルスケア分野のコンシューマー向けIoT機器を手掛ける企業で広くAPIを提供していて、PHILIPS社の他にGE等とも提携をしています。GEは自社の大型医療機器と共にiHealthのコンパクトで扱いやすいコンシューマー向け医療用計測機器を病院向けソリューションとして提供。PHILIPSも同様に、自社が提供する医療向けクラウドサービスに、iHealthの優れたヘルスケアIoT機器を活用して、同社のサービスの幅を広げることが狙いのようです。

MasterCard×SAMSUNG

今回のCESで筆者が注目したMasterCardの展示ブース。金融サービス企業がCESに出展するという変化も驚いたが、さらに驚いたのが展示ブースにあるSAMSUNGのコーナー。MasterCardは、SAMSUNGが提供するTIZEN OS搭載の冷蔵庫に決済機能を提供しているとのこと。冷蔵庫がECと連携して食材管理と購入をサポートしていて、その決済手段にMasterCardの決済機能が搭載されていました。



森直樹(もりなおき)
電通 CDC部長 事業開発ディレクター、クリエーティブ・ディレクター

光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。デジタル&テクノロジーを活用したソリューション開発に従事し、AR(拡張現実)アプリ「SCAN IT!」、イベントとデジタルを融合する「Social_Box」、「SOCIAL_ MARATHON」をプロデュース。さらにデジタル&テクノロジーによる事業およびイノベーション支援を手がける。最近は、経営や事業戦略に基づくUI・UXデザインや、ネット事業モデルによる事業革新の支援プロジェクトに取り組む。 日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の幹事(モバイル委員長)。著書に『モバイルシフト』(アスキー・メディアワークス、共著)など。ADFEST (INTERACTIVE Silver他)、Spikes Asia (PR グランプリ)、グッドデザイン賞など受賞。ad:tech Tokyo 公式スピーカー他、講演多数。


「電通」に関連する記事はこちら
「CES」に関連する記事はこちら