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コラム

マーケティング・ジャーニー ~ビジネスの成長のためにマーケターにイノベーションを~

マーケターは自らの決意表明として、新年に「予測」を語るべきではないか。

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未来を予測することは決意表明

画像提供:shutterstock

年始を迎え、デジタルマーケティング業界の方々のさまざまな「今年のマーケティングトレンド予測」が散見され、注目を集めています。自分も含めて、マーケターの皆さんは大いに刺激を受けていることでしょう。

そのような予測や展望は、執筆者の希望的観測の場合もあれば、未知や危機に対する警鐘であったりもします。ただ、読者にとってはその当たり外れを考えるものというよりも、今後の自らの活動に指針やインスピレーションを得ようというものでしょう。その意味で、「一年の計は元旦にあり」と同様に、こうした予測は、執筆者のresolution(決意表明)として考えるべきと思っています。

そこで、まずは私の今年のマーケティングジャーニーとしての「旅の決意表明」を、3つの視点から皆さんにお伝えしたいと思います。

1. 新しい「クリエイティブ=言語」を追求する

チームラボの猪子寿之氏は、言語や文化の違いを超えるビジュアルやアートがデジタル時代のコミュニケーションの基本になると発言したことがあります。私は、これをテキストメッセージの価値が無くなるというよりも、デジタルを通して広がる写真や画像、動画といったリッチコンテンツが新しい「言語」になっていくという考えだと捉えています。

まさにInstagramでの写真や、Snapchatのような短い動画をベースとした新しいデジタルアプリケーションが次々に生まれ、コミュニケーションのツールやメディアになっているということが、それを裏付けています。その「言語」がコミュニティに受け入れられて、メディアとして大きなプラットフォームになる過程が読み取れるのです。

LINEのようなアプリケーションは、電話やメッセンジャーのようなコミュニケーションツールから始まり、意図的にエンターテインメントや情報コンテンツなど、サービスの境界がないプラットフォームを築いて成功しています。彼らにとって、スタンプのようなツールは新しい「言語」です。

2016年以降は、動画やネイティブアドのようなコンテンツがますます隆盛になっていくことが予想されます。ただ、それはコンテンツそのものの価値が向上するからというよりも、デジタルでクリティカルに通用する「言語」を発見し、活用していくことがコミュニケーションにおいてより重要視されるからでしょう。例えば、動画においては「縦型」や「短尺」、「360度の主観動画」といった方法の追求がひとつの形だと思います。こうしたデジタルにおける「クリエイティブ=言語」の追求を、どんな環境でもするべきだと考えています。

2. テクノロジーの活用は「魔法」を目指す

スマートデバイスやアプリケーションといったテクノロジーには、とかくガジェット好きな若い男性を惹きつけるような要素が多くあります。ただ、最終的に女性や幅広い層に普及していくためには、テクノロジーとしての目新しさや高度さよりも、どれだけ意味のある体験が提供できるかにかかっています。

その意味で、テクノロジーは消費者にとって、どのような意味があり、彼らの生活や行動の中でどのような役割が果たせるかを考えることが大切です。つまり、具体的に彼らの生活を助ける解決方法になっているのかということでしょう。

そして、それはデジタルを使うことが目新しいだけではなく新しい体験と喜びをもたらし、消費者にとっては「まるで魔法のように」見えるということです。魔法というとなんだか非現実的に聞こえるかもしれませんが、それだけ便利で意味のあるサービスは、デジタルによってますます増えています。Uberやamazonも、そのようなブランドとして受け入れられていると言えるでしょう。

新しさに眼を奪われていると忘れがちですが、先進的なデバイスやアイデアに惹かれるだけでは、継続的なビジネスモデルとして機能することは難しいのです。

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