メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

「CES2016」現地レポート(5)次の主役? ヘッドマウントディスプレイの存在感

share

【前回記事】「「CES2016」現地レポート(4)-普及・発展期に突入?3Dプリンターの存在感」はこちら

CESに出展される新しいテクノロジーやプロダクトの変化を見ていくと、次の主役が見えます。少し前はスマートフォンやウェアラブルデバイス。ここ数年は、自動車、コネクテッドホーム、そしてIoTガジェットの数々が存在感を示しています。その中でも今年、注目すべき主役のひとつがOculus Riftに代表されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)。HMDメーカー、Oculus Riftを活用するためのサードパーティー製品などが、昨年と比べ物にならない存在感を示しています。まさしくHMDは、新しいコミュニケーション接点として主役となる可能性を秘めているのではないでしょうか。今回のレポートでは、一気に活用が広がったHMDに注目します。

プラットフォーム化するOculus Rift

HMDはCES開催前から国内外のメディアで出展動向の注目を集めていたので、かなり大規模に展示されるのではないかと考えていましたがその規模は筆者の予想を大きく超えるものでした。まず、筆者の目を引いたのは、HMDのメーカーであるOculusやSAMSUNG以外にも、多くのメーカーが参入をしていたこと。またサードパーティーがOculus Rift向けに様々なソリューション、ガジェット、ソフトウェアを提供していたことです。

Oculus Riftをベースとした、エコシステムができあがりつつあることを今年のCESで強く感じました。すでにDMDを活用したゲームや、映像ソフト、360°撮影カメラや映像編集ソリューションなどが、スタートアップはもとより、大手企業も出展をしていて、今後の市場拡大の可能性を伺わせます。新しいコミュニケーションデバイスとしてのHMDの勢いに収まる気配がありません。

各社が展示にHMDを積極活用

HMDに関しての大きな動きが、様々な企業が自社の展示にHMDを活用したVRを活用している点です。国内外、業種問わずHMDを活用した展示を展開していたのが印象的でした。企業によって、活用の仕方やクオリティはまちまちですが、HMDを活用すれば当面は来場者の興味を引くことができそうです。今後は大型の展示会、ショールーム、店舗など様々な場所でのHMDの活用が期待できます。CESでの各社の展示は、そんな可能性を示していたように思います。

HMDのプラットフォームとなりつつあるOculus Riftt

OculusはOculus Riftを展示。体験コーナーはOculus Rift長蛇の列となっていました。

Oculus Riftを活用した対戦ネットワークゲームや、周辺機器・装置が多く出展されていました。Oculus Rift関連のサードパーティー市場ができあがっていて、HMDはプラットフォームとしての存在感を増していました。

SAMSUNGは Gearを大々的に展開。

SAMSUNGは、SAMSUNG Gearを大々的に出展していました。メインステージの他に、大規模なGear体験コーナーをメイン会場に設けて存在感をアピール。

GoProはGearとコラボレーションした出展

360°映像を撮影可能なGoProの展示。SAMSUNG Gearとコラボレーションにより出展。

SONYにもプレイステーションVRの体験コーナーが

SONYはプレイステーションVR体験コーナーを展示会場に設けていて、プレイステーションと連動したHMDによるVR体験が可能で注目を集めていました。

カード、保険会社もHMDを展示に活用

MasterCardのコーナーでは、双眼鏡に見立てた展示にOculus Riftを活用し、MasterCardのブランドコンテンツを発信。

今年のCESにはNASAが出展。NASAの様々な技術や惑星探査などの成果、映像などの展示がされる中、Oculus RiftやSAMSUNG Gearを活用してNASAの映像コンテンツを体験できる展示も。

生命保険会社のGenworth社は、HMDを活用して、加齢により身体がどのように不自由になるかを、疑似体験可能なシステムを展示。CESに生命保険会社が展示すること自体が非常に目新しい上に、全身で加齢を体感できる展示は異彩を放っており、注目を集めていました。



森直樹(もりなおき)
電通 CDC部長 事業開発ディレクター、クリエーティブ・ディレクター

光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。デジタル&テクノロジーを活用したソリューション開発に従事し、AR(拡張現実)アプリ「SCAN IT!」、イベントとデジタルを融合する「Social_Box」、「SOCIAL_ MARATHON」をプロデュース。さらにデジタル&テクノロジーによる事業およびイノベーション支援を手がける。最近は、経営や事業戦略に基づくUI・UXデザインや、ネット事業モデルによる事業革新の支援プロジェクトに取り組む。 日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の幹事(モバイル委員長)。著書に『モバイルシフト』(アスキー・メディアワークス、共著)など。ADFEST (INTERACTIVE Silver他)、Spikes Asia (PR グランプリ)、グッドデザイン賞など受賞。ad:tech Tokyo 公式スピーカー他、講演多数。


「電通」に関連する記事はこちら
「CES」に関連する記事はこちら