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そこまでやるか!勇気あるカンヌ受賞作まとめ!−電通PR 根本陽平カンヌレポート3

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カンヌライオンズ2016 特集ページはこちら

長いようで本当にあっという間に過ぎ去るカンヌライオンズ2016も幕をとじました。

前回の記事では、「その手があったか!」と思える”シンプル”で“パワフル”な受賞作を紹介していきましたが、今回は、「そこまでやるか!」という視点で紹介していきたいと思います。

「そこまでやるか!」勇敢且つ大胆な取り組みへの賞賛

カンヌでは、アイデア自体の発想もさることながら、「企業(団体)がそこまでのことをやっちゃうなんて・・・」と思わずため息がでるほど“Brave&Bold(勇敢且つ大胆)なものがたくさん出品されています。

中には、「日本だとできないよね」とか「提案しても絶対通らない」的な会話もよく耳にするのですが、必ずしもそうではないと思っています。もちろん文化や背景の違い、そもそもの課題設定の置き方が日本で通用しないというのはあるかもしれませんが、“主体者が世の中に対して行う確固たる意志”という視点では見習えるべきところがたくさんあるのではないかと思います。企業やブランドのフィロソフィを世の中に宣言する(Say)だけでなく行動(Do)まで示す、そんな取り組みがここ数年増えてきていると強く感じました。

さてそれでは今回も、現地でお会いした素敵な方々に、「そこまでやるか!」という視点で聞いた推し受賞作をご紹介していきます。

世の中の反応まで計算つくされた設計が巧みすぎる今年の複数部門受賞の代表作!

まずは、今年新設されたライオンズエンターテインメントでゴールドを受賞したADK TAIWANをブランチに持つADK GLOBALで事業開発をされている岡田雄一郎さんから聞いた「そこまでやるか!」受賞作です。ちなみに、岡田さんは、2014年のヤングライオンでPR部門のゴールドホルダーです!

McWhopper

メディアとプレス部門でグランプリ、その他多数受賞しているバーガーキングの”McWhopper”。既にご存知の方も多いと思いますが、これこそ「そこまでやるか!」の今年の象徴的な代表例ではないでしょうか。9月21日が国際平和デーということで、バーガーキングが、マクドナルドに両社の商品を合体させたメニューMcWhapperをつくりましょう!とオフィシャルに宣言。実際に実現はしなかったものの、それが話題と議論を呼び、他の競合企業までもがやりたいと表明するなど、社会現象化されました。

この取り組みの巧みな点は、たとえ競合社が「Yes」でも「No」でも両方のシナリオで話題になり、話題が転がっていくようにアイデアも手法も計算しつくされている点です。聞くところによると企画を実現するまでに相当時間と根気が必要だったようですが、なんとしても「やり遂げる」という企業の確固たる決意のようなものが感じられますよね。セミナーでも「No retreat. No surrender. Do it anyway.」(撤退しない。降参しない。どのみちやる。)というワードがでていて、わかっていてもなかなかマネできないほどの強さを感じました。

自分ゴト化から遠いテーマを強烈に意識づけさせた啓発方法

続いては、今年のヤングライオンズPR部門の日本代表、博報堂のプロモーションプランナー・関谷拓巳さんに聞いた受賞作。

BEHIND THE LEATHER

※血が苦手な方はご注意ください。

デザイン部門でゴールドを受賞したタイの動物愛護団体PETAアジアの取り組み。クロコダイルなどの爬虫類を加工して革製品にすることの残酷さを訴えるために、ショッピングモールに期間限定の革製品のショップをオープン。『Behind the Leather(革製品の裏側)』と称された製品の内側にはリアルに再現した内蔵加工の様子が・・・。“美しい革製品は、多くの動物たちの命を犠牲にしている”というメッセージを衝撃に伝えました。映像をご覧いただけるとわかるとおり、視覚的に相当強烈なインパクトです。ポジティブな反応ばかりではないかもしれませんが、普段自分ゴト化しにくいテーマだからこそ、「そこまでやるか!」と思わせる覚悟があります。

次ページ 「ビジネスモデルまでにコミットする動きの加速」へ続く