「バズる」「話題になる」。せっかく動画をつくって、ウェブにアップするのだから、そうなってほしいですよね。もちろん、願って叶うに越したことはありませんが、いつの間にか「バズる」ことが最大の目的になってはいませんか? 僕らもつい、そのワナに陥ることがあります。でも、そうじゃない、それだけじゃダメなんです。
中でも一番マズイのが、その動画がバズりさえすれば、あらゆる課題が解決される、という期待を多少なりとも持ってしまうことです。もちろんそんな動画がつくれれば文句なし。文字通り「完璧な動画」ですね。でも、少なくともこれまで僕らはそんな魔法のような動画は見たことがありません。人間と同じで、動画にも向き不向きがあって、ある部分は得意でも、ある部分は下手だったりするんです。今回は、オンライン動画が持つ特性と役割について考えていきたいと思います。
「動画を3つに分類してみる」
みなさんは、「オンライン動画」って聞くと、何を思い浮かべますか? やっぱりバズ動画? それとも昨夜作った料理のレシピ動画? はたまた寝る前に布団の中で見たNetflixや、Huluの映画でしょうか。全く違うという人もいるかもしれませんね。Googleによると、企業がコミュニケーションにおいて活用する動画は、大きく3つのタイプに分かれるのだそうです。HHH(HERO, HUB, HELP)と呼ばれる考え方ですね。僕たち鬼ムービーはこれをさらに咀嚼して、こう解釈しています。
HERO動画:
いわゆるバズ動画。
人々の間でシェアされ、話題になるエンターテイメント性の強い動画
HUB動画:
ある程度興味を持った人たちの、ブランドや商品へのさらなる理解を促進する動画
HELP動画:
購入検討期の人たちの背中を押す、How To動画や、機能/効能を説明する動画
例えば、新商品発売を例にこの3つの動画の使い方を考えてみましょう。
新しい商品のローンチなので、当然無名です。そこでまず、HERO動画で人々がその商品について知るきっかけをつくります。その中で興味を持ってくれた人には、HUB動画で、商品の代表的な特徴や魅力を伝えます。そしてその中から購入を検討してくれる人には、HELP動画でより具体的な情報を与え、迷いを消してあげることで、購入の後押しをします。こんなふうに、動画は動画でも、それぞれの役割を持っています。実は、HERO動画はHELPの役割が苦手で、HELP動画はHEROの役割は苦手なんです。
「つくった動画はバズったのだけど、結果的に購買に結びつかなかった」という話をよく聞きます。でもそれは当然なんです、HEROはHELPが苦手なんだもの。「HERO動画はHELPもできる万能なやつ」と思ってしまっていると、起こりがちな誤解です。
でも、売り上げはいまいちでも、よくよく調べてみれば、ブランドや商品の「認知」や「好意」は上がっているかもしれませんよね。今、その商品・ブランドが、どんな課題を持っていて、何を解決するために動画を使うのか。その目的にあわせて動画の種類を選ぶことが重要なんです。認知度や好意度が足りていないなら、HEROですし、ロングセラー商品で認知が十分なのであれば、HUBやHELPが必要なのかもしれませんよね。
そんなふうに、動画をつくる前に、一体何を解決するためにつくるのかという、当たり前といえば当たり前のことを明確に決めてあげることが、実はとても大切です。
「【閲覧注意】鬼ムービーのガチすぎる動画教室」バックナンバー
- メディアのアルゴリズムを知れば、プランニングが変わる! — オンライン動画・新春座談会—【メディア編】(2017/1/30)
- プレゼン時に、何を「約束」しますか? — オンライン動画・新春座談会—【KPI編】(2017/1/30)
- “言の葉に乗る”オンライン動画は、どうやって生まれるのか — オンライン動画・新春座談会—【アイデア編】(2017/1/30)
- 動画の現時点での「答え」と「未来予想図」(2016/12/01)
- HUB動画、HELP動画を制するものはオンライン動画を制す!?(2016/11/24)
- 話題沸騰のネタを連発している日清食品さん、その秘訣、教えてください!(2016/11/17)
- 企業とインフルエンサーの関係を深めるカギを握るのは、いい「企画」(2016/11/10)
- 動画はタイミングが命!パナソニックに聞く、オンライン動画のつくり方、広げ方(2016/10/06)
新着CM
-
マーケティング
手作り「スイカバーの素」 ダイソーで先行テスト販売…ロッテ
-
クリエイティブ
サントリー烏龍茶や月桂冠など定番6商品、ファミマカラー限定パッケージに
-
クリエイティブ
ズンズンペンギン、ヌンヌンアザラシ…海の動物が迫るマリンワールドの広告
-
AD
クリエイティブ
TYO学生ムービーアワード 金賞は『Brave Grandpa』総合力などが高評...
-
クリエイティブ
新木優子がファッショナブルな間食を提案、湖池屋「ランチパイ」CMの裏側
-
広報
U-NEXT HOLDINGS、新社名にあわせたブランドコミュニケーション開始
-
クリエイティブ
「一言日記」のような言葉で心を捉えるルミネのコピー、約20年続く理由
-
クリエイティブ
お米・人・製品への愛を表現、賀来健人をキャラクターに『亀田の柿の種』の新キャンペ...
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?