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「誰でも本屋になれるしくみ」が、出版流通を少しずつ変えていく

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4年目を迎えた「広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞」。昨年の受賞作にスポットをあてる鼎談企画の第3弾は「ことりつぎ」です。 本事例で特別賞を受賞した鷗来堂代表取締役社長柳下さんと、その推薦者である瀧智之さん(オリコム)に、新しい発想のコミュニケーションについて、お話を伺いました。

受賞した瀧さんが推薦した事例
「ことりつぎ」

左から、読売広告社白川遼さん、オリコム 瀧智之さん、ことりつぎ 柳下恭平さん、読売広告社永野広志さん。

街の個人ショップやイベント会場等で、誰でも本を売れるようにサポートする流通サービス。WEB登録するだけで、選書サービス、専用アプリでの仕入・販売・在庫管理、本棚の作り方等の販売サポートを受けることができる。自転車ショップや美容院等、個人の興味関心が高まるタイミングでの本との出会いを演出した。

95%の人が、本と出会えていない

白川:そもそもどういうきっかけで、「ことりつぎ」を発想したんですか?

柳下:出版業界に身を置く者として、あるとき考えたんです。出版不況と言われるなか、書籍を売る商売でこの先やっていけるのかどうか。本屋さんに月5、6回以上通うような人って、たぶん、日本人口の5%くらいなのかなって思うんですけど、逆に考えると、95%の人に届ける仕組みさえあれば、まだまだ大きな市場が広がっている。大規模流通に乗らなくても、個人ショップがそれぞれ本屋さんになればいいんじゃないか。そう考えて、「ことりつぎ」が生まれました。

永野:5%しかないって見るんじゃなくて、95%あるっていう発想がとてもポジティブですね。

柳下:80点のものを90点にしたり、99点を100点にするのって、すごく大変なことだと思うんですけど、5点を伸ばすのは簡単ですよね。

白川:なるほど! 発表してからの反響はいかがでしたか?

柳下:リリースを出してから、500件以上もの問い合わせメールをいただいて、本を売りたい人がこんなにもいるんだと、あらためて実感しました。

次ページ 「書店員はマーケター、個人ショップはセールス」へ続く