企画書のプロに聞く「良い企画書」の条件

ノートPCを閉じてみよう「筆圧」に自信の有無が出る

—おふたりは、(課題が見つかった後の)解決策、つまり企画をどのように考えていますか?

NECマネジメントパートナー
コンテンツマーケティング部エキスパート
小湊孝志(こみなと・たかし)氏

NECグループのPowerPointテンプレートやクリップアートを開発し、提案書、講演資料の制作を手掛ける。宣伝会議主催「PowerPointデザイン基礎講座」講師を務める。PowerPointのデザイン機能を余すところなく活用した表現は独特の世界観がある。

小湊:僕はどちらかというと企画を考えるよりも、それをどう見せるかを日々考えていますが、ただ企画を考える時は、とにかく考えて考えて考えて……と、思考量を増やしていきます。そして、たくさん考えた後に一度寝かします。いったん区切ると、企画が頭の中で熟成される。その熟成期間を経て、良い企画が突然ポンと出てくることが多いように思います。延々と考えすぎると思考が迷走してドツボにハマってしまうので注意が必要です。

中尾:僕は紙に書き出しながら企画を考えますね。個人的にはデジタルよりもアナログのほうが一覧性も高く、パッと見ただけで思考の流れを追えるので便利ですね。一度寝かせた後でも、紙を見ればすぐにその時の思考に立ち戻れる。あと、僕は文字の筆圧や大きさに自信の有無が表れるように感じるんですよ。無意識の部分まで見えてくるようです。

小湊:企業では、企画会議を開いて複数人でアイデアを出すことも少なくありませんが、会議室に入ってすぐノートパソコンを開き、みんながパソコンの画面を見ながら企画を練るのは良くないなと感じています。何かアイデアが出るとパソコンで関連資料を調べがちですが、それは過去の情報を掘り起こして並べているだけ。そこから企画として新しい何かを見つけられるわけではないんですよね。

中尾:確かに、最近はすぐに検索してしまう人が多いですよね。過去の情報を調べる分析型のプランニングは、話の筋は整うものの、解決能力に優れているとは限りません。あくまで既知のデータをそのまま用いても、当然新しい企画は生まれません。

小湊:新しい企画を見つける方向へチーム全体の意識を向けるには、パソコンではなくホワイトボードを活用して、出てきた単語やアイデアを書き並べていくのがおすすめです。個々の画面ではなく同じボードを見るので意思統一しやすい。立場が上の人や声が大きい人の意見が通るなどの良くない流れも防げます。また、ホワイトボードであれば文字だけではなく絵や図も描けるので、イメージしやすくなるというメリットもありますね。

中尾:それと、よくある落とし穴なんですが、クリエイターやプランナーとしての目で見て“新しくおもしろいアイデア”が、世間一般から見てもそうか、というと違うケースも少なくない。前者のようなアイデアのために、いくら情報収集しても、やっぱり一般的にはつまらないものしか出てこないんじゃないかと僕は思います。そうすると大切なのは、ふつうに暮らす一人としてのアンテナを磨くことなのではないでしょうか。

次ページ 「良い企画書はフルコースあるいは唐揚げ弁当」へ続く

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