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企画書のプロに聞く「良い企画書」の条件

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良い企画書はフルコースあるいは唐揚げ弁当

—ではどの段階で企画書に落とし込むべきでしょうか。

中尾:企画書作りに着手するのは、やはり企画をクリアにしてから。企画をきちんと練っていけば、企画を考えている段階で企画書のイメージまで浮かぶので、企画書作りは一瞬です。すぐに企画書にアウトプットできることが、頭の中で企画が固まっている証拠になります。

小湊:僕は、おかずもごはんも一気に詰め込む「幕の内弁当」スタイルの企画書は良くないと思っていて、良い企画書はきちんと順番を決めて分類した「フルコース」スタイルだと思うんです。仕切りのない弁当箱に具材を敷き詰めたら味が混ざってしまって、何がメインで何がサブなのかわからなくなりますよね。そういう企画書は、そもそもの企画意図もブレてしまうわけです。

中尾:特に日本人は心配性で全方位型プレゼンをするので、幕の内弁当スタイルで詰め込みがちですね。情報があふれていると「企画全体で何を伝えたかったんだっけ?」と迷子になります。良い企画は何でも詰め込む幕の内弁当ではなく、唐揚げ弁当やキチン南蛮弁当のようにメインが明確になっている。たとえばミネラルウォーターの企画書なら「この水はうまい!なぜならA・B・Cだから」くらいのシンプルさが理想です。たくさん理由があればあるほど優秀だと思われがちですが、理由が多いほど、コンセプトがぼやけるんですよね。

小湊:ギャグといっしょで、企画のどこがおもしろいか説明しちゃうとおもしろくない。簡潔に集約できる企画がいいんでしょうね。つまらない企画書は、パワポのテンプレートのタイトル欄に見どころのないタイトルを入れがちです。たとえばミネラルウォーターの提案する際に、「ミネラルウォーターのご提案」ではなく「きょう提案する水はおいしいです」というメッセージをドンと書いた方が伝わるスピードが速く、コン
パクトにまとまります。

中尾:僕も伝える量はできるだけ少なくして絞っています。長くて難解な説明書は読む気になりませんから、コピーライティングの感覚で、とにかくシンプルにわかりやすくする。だから部下の企画書が分厚いと「分厚いのは自信がない証やろ」と指摘します。つらつらとミネラルウォーターの成分説明を始めるよりも、突然「最近水は飲みましたか?」と問いかけて、「子どものころは水をがぶがぶ飲んでいましたよね」と切り出したほうが相手の心をつかめます。こうした「ツカミ」を意識しながら、ちゃんと論理立てて最後にすとんと腹に落ちるように構成する。論理がなければ、「ツカミ」だけ考えてもダダすべりですからね。

自信を持ってハキハキと心配ごとにも先回りする

—企画を通すために、「企画書」以外で工夫をされていることはどんなことですか。

中尾:プレゼンテーションの場で言えることですが、既成概念に縛られないように気をつけないといけません。「ターゲットがここで、課題がこれで」とマニュアル通りに伝えるのではなく、何を話せば企画の真意がクライアントに伝わるかを考える。たとえば高校生向けの企画を提案する場合、50歳代の社長は「これの何がいいんだ?」と疑問を感じるかもしれません。それならば企画のコンセプトよりも先に「いまの高校生の趣味嗜好」を伝えるべきです。流行りのヒップホップを聞かせて「これ、うるさいですよね?でもこれが高校生に人気なんです。だから自分たちが好むゾーンではなく、彼らの好むゾーンに入った企画を考えた方がいいですよ」と伝える。もちろん失礼にならないよう、言い方には注意しますけどね。

小湊:言い方やしぐさは重要ですね。自信なさそうに言うと説得力が半減するので、身振り手振りを適度に加えながらハキハキしゃべるほうがいいです。

中尾:それに強い企画にはリスクや懸念がつきものです。そういう時は、クライアントの不安を取り除くプレゼンをします。強い企画を通したいなら、無責任に「心配いりません、大丈夫ですよ」と言うのは違うし、「とにかくおもしろい企画ですから」とごり押しするのも間違い。クライアントが心配する理由を自分で理解して、回避策ではなく対応策を提示するべきです。地味な企画なら地味でも効果が出る根拠を説明し、怖い企画なら怖くする必要性を説明する。丸くて小さい企画はつまらないですし、尖った大きな企画は世の中がざわつきやすい。ざわつきの対応策まで考えるのは重い負担がかかりますが、強くて良い企画を通すにはこうした努力が欠かせないと思います。

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