ミレニアルを魅了するメディア「VICE」、成長の起爆剤はエージェンシー機能

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VICE Media グローバル・ゼネラル・マネージャー
ホシ・サイモン氏

 

9月24日から10月1日の日程で実施した、米ニューヨーク視察研修ツアー「Business Creation Lab. in New York」。6日間の視察を通じ、時代の変化に合わせて新たなビジネスモデルの確立に動く先進企業の動きを捉えるとともに、日本の広告界が目指すべき方向性を探りました。アドタイでは、視察団が訪問した注目企業について、レポートを順次公開していきます。
また『宣伝会議』2018年1月号(12月1日発売)には、レポートの総集編を掲載します。こちらも、ぜひご覧ください。

1994年にカナダ・モントリオールで創業したVICE Media。フリーペーパーからスタートし、2006年には動画メディアにも進出。ファッションや音楽などのカルチャーから、社会問題に国際問題、独自の視点で切り込んだジャーナリズムまで幅広いテーマの番組を、Webサイト、大手テレビ局、NetflixをはじめとするOTTプラットフォームなど、さまざまなチャネルで配信している。

1日当たり約960万人の視聴者にリーチし、特に18歳から34歳までの若者、いわゆるミレニアル世代から絶大な支持を集めている。同社グローバル・ゼネラル・マネージャーのホシ・サイモン氏に、成功の秘訣を聞いた。

「若者はニュースなんて見ない」にNO!

「私たちが追求しているのは、これまでに語られていないストーリーです。もしすでに語られているものなら、違う角度から語りたい。『VICEを見て初めて知った』『そんな考え方もあるのか』と世界中の若者に感じてもらいたいのです」とサイモン氏は話す。

現在36の国と地域に支社があり、3000人の社員が働く。平均年齢はなんと26歳。音楽、ファッション、食、ビデオゲーム、スポーツなど14の若者向けチャンネルを運営しており、その中核のひとつがニュースチャンネル「VICE NEWS」だ。毎日数十本のニュースをWebサイト及びYouTubeで配信し、大手ケーブルテレビ局のHBOにもニュース番組を持つ。

「2012年に私たちがニュースを始めたとき、伝統的なメディアからは『若者がニュースを見るはずがない』と馬鹿にされました」とサイモン氏は笑う。

しかし、その予想は大きく外れた。戦争や社会の不平等、環境問題などを独自のアングルから取り上げるニュースは、多くの若者たちに支持されている。例えば、ファシズムを扱った約20分のドキュメンタリー「Charlottesville: Race and Terror」は今年8月の公開から2週間で4400万ビューを記録した。バラク・オバマ、イーロン・マスク、マララ・ユスフザイなどの著名人もこぞってVICEに登場している。

「私たちの番組は、若者に『こうあるべきだ』と命令しません。現場をありのまま晒し、自ら考えてもらうことを目指しています。そして、若者こそが力を持つべき、社会は変えられる、というメッセージを送り続けています。これこそがVICEが成功した理由でしょう」。

次ページ 「広告エージェンシー部門が成長を牽引」へ続く

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