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PRアーキテクトが見た「スパイクスアジア2019」

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こんにちは。中川リョウと申します。

電通でコピーライター・PRアーキテクトとして働いていますが、とあるグローバル企業のAPACヘッドクオーターがあるシンガポールオフィスのクリエーティブチームに9月からジョインしています。(カタカナ多い)

PRアーキテクトは自分で勝手につくった肩書きで、PRの企画から、キャンペーンの設計と制作までを担当しています。設計から実施まで見るという意味で、建築家と大工の棟梁を足して2で割ったようなイメージです。

スパイクスアジアの会場にて、中川リョウ氏。

今回、「SPIKES ASIA 2019」に参加してきました。「SPIKES ASIA」は、アジア地域最大級の広告・コミュニケーションのクリエイティブフェスティバルで、今年は9月25~27日にシンガポールにて開催されました。

昨年、ヤングスパイクス(※)のPR部門でゴールドを村石健太郎と勝ち取り、その副賞として今年のスパイクスアジアの入場パスをいただきました。ちょうどシンガポールでの生活も始まったので、昨年に続き2年連続での参加です。

スパイクスアジアの中には、30歳以下を対象にした「ヤングスパイクス」というコンペティションがあります。各国の代表2名が1チームで参加し、現地で与えられた課題に、制限時間内で映像や企画書を作成、またはプレゼンテーションで競うものです。

銅以上の賞を獲っているものはスパイクスの公式サイトにも全て公開されています。他でも見る機会が多いと思いますので、今回はPRアーキテクトとして個人的に気になった仕事を独断と偏見モリモリで紹介したいと思います。

リザルトの説明はケースフィルムに任せるとして、企画の部分に特化して解説していきます。選んだのは金銀銅などの色付きの賞が発表される前で、ショートリストの段階で選びました。そして、その結果獲得した賞の色も後ろに記載したいと思います。

スパイクスの公式サイトでは、作品タイトルの受賞部門一括検索ができないため抜け漏れがあったらごめんなさい。

と、少しその前に自分の話を。普段PRの企画をする時に意識している構造が2つあります。

1:スポットライト
これはヤングカンヌのPR部門にひたすらチャレンジしていた中で見つけた一つの法則ですが、ある事象に対してこれまでの常識や見られ方に対して別の角度からスポットライトを当て直すことで、世の中の認識を変える(パーセプションチェンジを起こす)という考え方。僕はこれを勝手に「スポットライト思考法」と呼んでいます。詳しくは、この後の実際の企画にて説明していきます。

2:合気道
箭内道彦さんをはじめ、これまでもクリエーティブの役割・効果を説明する際に「合気道」という言葉が使われてきました。特にPR発想は、世の中発想ということ。世の中のチカラを上手に受けて、それを増幅させる方法を考えます。

この「合気道」とは一言で説明してしまえば、「世の中がこうなっているから、こうしました。」ということになります。

この構造は普段、企画そのものをシャープにする上でも意識していますが、企画が世に出た後、メディアの方が記事にする際にも、いまそのネタを取り上げる前提も合わせて提供されているので、記事として取り上げてもらいやすくなるというメリットがあります。

この2つの視点で、ショートリストを見ていきたいと思います。

次ページ 「1:スポットライト系」へ続く