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ニューノーマル時代のマーケティングは顕在顧客を刈り取る狩猟型から農耕型へ — ファン育成まで見据えた顧客開拓戦略(後編)

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オフラインではパーソナライズ、顧客も従業員も心理面での安心を担保できる

一方、オフラインでの店舗は、店舗や商品を体験できる場を予約制にし、ラグジュアリーブランドのごとく、徹底的にパーソナライズされた接客を行う場として使うことが必要になってきます。これはコロナ禍においても安心してお店に行けるということはもちろん、対応するスタッフ側の安心感にもつながるためです。

今回のコロナ禍においてもオンライン接客、パーソナライズは大きな成功を収めました。オフライン・オンラインをシームレスに接合できる体験を生み出せるのです。コロナが落ち着けば、リアルな店舗にいける、楽しめる。ちょっと状況が怖くなったらオンラインで1on1で接客を受け、相談したいこと、悩んでいることを話できる。これは今までにない体験と言えます。

これは、顧客だけでなく、接客対応をする従業員の心理面での安全性の担保にもなり、いままで以上に安心して業務に集中できる環境が実現可能であるという側面もあります。特に化粧品やアパレルにおいては、ここを強化しておくことは、大きな強みとなります。

■海外事例:「デシエム・アット・ホーム(Deciem At Home)」プログラム

ここでも自分たちの強みは何なのか、顧客が求めている価値は何か、顧客像は?という問いが生きてきます。顧客が望む最適な体験を迷いなく提供できる体制、思考が必要不可欠です。

ブランディングやマーケティングは、あくまで裏方です。どんな状況下においても、顧客を理解し、顧客に楽しんでもらう、より良い体験をしてもらう、喜んでもらう。そのためにテクノロジーやクリエイティブは存在し、結果的にファンになってくれれば、ビジネスとしても成功します。それらを愚直に繰り返すことが今、求められています。

我々は裏方ですが、消費者とダイレクトにやりとりをしている自覚の必要性はより強くなっていくでしょう。そのためにも、自分たちは何者なのかの定義にしっかり組み込んでおく必要があります。また、単純なオンライン化や目の前にいる顧客のみをターゲットにした刈り取り型の焼き畑の手法では、早晩限界が来ることも明白であるため、自社の顧客は自社で育成する農耕スタイルを今こそ確立すべき時です。

新しい顧客との偶然の出会い、ではなく顧客にこちらから「オンラインで会いにいく」姿勢。この発想がニューノーマルな世界での新規顧客開拓に必要不可欠です。全力でチャレンジしてもなんら損はないのです。ぜひ実践してみてください。

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河野貴伸氏
フラクタ 代表取締役
Shopify 日本公式エバンジェリスト
Zokei 社外CTO
ジャパンEコマースコンサルタント協会講師
元 土屋鞄製造所 デジタル戦略担当取締役(~2020/3/31)

1982年生まれ。東京の下町生まれ、下町育ち。2000年からフリーランスのCGデザイナー、作曲家、webデザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にWebデザイン・ロゴ・パンフレットなどの制作を手がける。「日本のブランド価値の総量を増やす」をミッションに、ブランドビジネス全体への支援活動及びコマース業界全体の発展とShopifyの普及をメインに全国でセミナー及び執筆活動中。