【CMプランナー座談会】2020→2021CMの現在地 ど真ん中には何がある?

CM表現は、シンプルに、“大づくり”で?

福里:今もコロナの状況は続いていますが、求められる表現に変化はありますか?

神田:僕はステイホーム期間中に企画の考え方を変えたんです。リモートワークになったり、感染状況や今後の景気が気になったりして、以前とは接触する情報量、質、リズムが大きく変わったと感じています。情報の変化が著しい不慣れな変革期に接触していくテレビCMとしては、こまごまとした構造だと今の視聴者の気分と合わず、情報の取り方でも不和が起きてくる気がして。これまでは15秒の中で導入があって、展開、オチを入れてと、構造でつくり込んでいましたが、もっと“大づくり”でシンプルなものに、と考え方を変えました。

栗田:神田さんがおっしゃっていること、わかります。今は他に情報をいっぱい取らないといけなくて、脳内の情報量が飽和状態で、広告を入れるスペースが空いてない感じがするんですよね。自分も同じように、フリがあって、オチがある企画構造が好きなんですが、今の気分はもっと一発芸的というか。ワントーンのテーマが決まっていて、脳に負荷をかけずとも理解してもらえるものがヒットしていると感じます。

吉兼:それはさっき僕がクリエイター気取りで言ったことと繋がるかも。デジタルの世界に疲れていて、カッティングしてある15秒よりも、ゆったり見られる方が単純に落ち着くんですよね。僕は日本郵便の嵐の年賀状のCMを2年連続で担当させてもらいましたが、30秒で3カットぐらいの緩いものにして、繋がりを表現しているんです。

山本:凄くわかります。ダイハツ「ムーヴキャンバス」のCMは、車が引きで置いてあるワンカットで、音楽が印象的ですがナレーションもない。初めて見たときは車名も言わないので、こんなに突き放していいのかと、驚いたんです。でも改めて見るとそれゆえに目立っていて心地いいですよね。

海辺に停まっている1台の車がワンカットで映し出されるダイハツ/ムーヴキャンバスのテレビCM「COLORINGLIFE海」篇。

鈴木:僕は感度が低いのかその流れに全く気づかずに、むしろカット数が増えてます(笑)。でも家ではみんなテレビにかじりついてたから、集中して見てくれるようになったのかなと。

福里:たしかに最近、はっきりしたオチもなくそのまま終わる、みたいなCM増えていますよね。わかっている人たちは、やりはじめてるんだなあ。

—本記事の続きは月刊『ブレーン』2月号(12月28日発売)に掲載しています。

2つ目のテーマは「岡康道さん」、3つ目のテーマは「2020年一番気になったCM、Web動画」。名作CM、今年CMプランナーが注目したCMがたくさん登場します。そして、最後には2021年の展望を語っていただきました。

福里真一(ふくさと・しんいち)

ワンスカイ CMプランナー/コピーライター。1968 年鎌倉生まれ。いままでに1500 本以上のテレビCMを企画・制作している。主な仕事に、サントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」、ENEOS「エネゴリくん」、東洋水産「マルちゃん正麺」、LINEモバイル「本田翼ダンス」、マクドナルド「ごはんバーガー」、メルカリ「メゾンメルカリ」など。

 

大石タケシ(おおいし・たけし)

電通 第2CRP 局 色白のCMプランナー。ACC小田桐昭賞、ACC FILMゴールド・シルバー・ブロンズなど受賞。主な仕事に、日本マクドナルド「私だけの、おいしさ。」篇、今西数英教室「2020」篇、LINEモバイル「LINEモバイルダンス」篇、ロッテFit’s ×NiziU「NEWフィッツダンス」篇、SUNTORY Café deBOSS「サボレボリューション」篇など。

 

神田祐介(かんだ・ゆうすけ)

博報堂 クリエイティブディレクター/CMプラナー。最近の仕事にjms 連続10 秒ドラマ「愛の停止線」、SmartHR「仕事の無駄よ、さようなら。」、マンダム「LUCIDO」、TVer 「テレビトーク」、テレビ東京ドラマ「きのう何食べた?」企画監修など。クリエイター・オブ・ザ・イヤー、ACC フィルム部門グランプリ、NYFestival2020最高賞/Filmグランプリ、SPIKES ASIA Film/Film crafグランプリ、TCC賞、ACC小田桐昭賞など受賞。

 

栗田雅俊(くりた・まさとし)

電通CDC CMプランナー/コピーライター。サントリー「話そう。」「2020 年の希望」、デカビタC「元気すぎるご当地キャラ」、宝くじBINGO5、トヨタKINTO、大和ハウスD-room、東京新聞「シャンシャンが家に来る日」、日清×天気の子、Netflix「リラックマとカオルさん」、パートナーエージェント「ドロンジョとブラックジャック」、カシワバラ「大規模修繕な人々」など。ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

鈴木智也(すずき・ともや)

博報堂 CMプラナー。2008 年博報堂入社。最近の仕事は、SoftBank 勝手にHERO’S、SUNTORY伊右衛門、特茶、自分防衛団など。トライアンドエラーを繰り返しながら、少しずつCMが上手くなっていけたらと奮闘中。

 

山本友和(やまもと・ともかず)

電通 クリエーティブディレクター/ CMプランナー。大学院で爆薬を研究後、なぜか電通に入社。主な仕事に、ダイハツ「WAKE 兄弟」「ROCKY ソニポン」、午後の紅茶「あいたいって、あたためたいだ。」「オール・マイ・ティー」、資生堂「ANESSA×NAOMI OSAKA」、日本生命「父は、何があってもキミの父です。」、SUNTORY「ガツーンとぼっち祭り」、カゴメ「高性能爆薬でつくる野菜ジュース」、都城市「ぬことぬっくん」など。TCC 最高新人賞、ACCシルバー、広告電通賞最優秀賞、毎日広告賞最高賞など受賞。

 

吉兼啓介(よしかね・けいすけ)

博報堂 CMプラナー。1986年山口県生まれ。主な仕事に、日清ラ王「天使の兄妹」、日清これ絶対うまいやつ!「麺恋歌」、OPEN HOUSE「夢見る小学生」、日本郵便「つながる人」、東京ガス「電気代にうる星やつら」、富士通arrows 「割れない刑事」など。

 

『ブレーン』2021年2月号

 
【特集】
企業の姿勢を表現する 動画・映像のクリエイティブ

・野村不動産/プラウド「僕は、父が苦手だった。」
・freee/スモールビジネス映画祭2020「ムカチノカチカ」
・クレハ/NEWクレラップ「僕は手伝わない」
・オーシャンソリューションテクノロジー/トリトンの矛「継がれていく」篇
・座談会 哀しきCMプランナーの会(その2)
 
【グッドデザイン賞2020 レポート】
・対談 安次富 隆(審査委員長)×齋藤精一(審査副委員長)
・大賞受賞インタビュー/WOTA「WOTA BOX」
・グッドデザイン金賞受賞作品
・クラフトワーク/ポーラ
 
【青山デザイン会議】
クリエイティブに生きるための「脱・東京」の手引き

・佐別当隆志(ADDress)
・亀山達矢・中川敦子(tupera tupera)
・中川淳一郎
 
【第8回BOVA 1次審査委員からのアドバイス】

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