今年のテーマはパンデミックで加速するテクノロジー 「CES2021」の見どころ紹介(森直樹)

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今年1年のテクノロジートレンドに触れることができるイベント、世界最大規模のテクノロジーカンファレンスであるCESが、今年は完全オンラインでスタートしました。
そもそもは家電見本市としてスタートしたCESですが、今日ではテクノロジーとイノベーションのイベントへと変化。スマート家電に始まり、モバイル、自動車、ロボティクス、IoT、AI、XRなど、先端的な取り組みに触れることができます。「アドタイ」の視点で森直樹氏が最新情報をお届けします。

危機の時こそイノベーションが加速し、急増する

2021年は完全オンライン開催となったCESですが、今年の見どころを探るために、CTA(全米民生技術協会)アナリストによるメディア向けセッションである「CES 2021 テック トレンド ウォッチ」からレポートしたいと思います。

2021年のテックトレンドについて解説する、CTA VP, ResearchのSteve Koenig氏とDirector of ResearchのLesley Rohrbaugh氏。

 
セッションはVPのSteve氏が、我々が現在おかれている状況について、英・経済学者のクリストファー・フリーマン氏の言葉である「景気の低迷期にはイノベーションが加速し、景気が回復し始めたときに解き放たれ、技術革新の強力な新しい波が到来する」の引用して説明するところから始まった。

Steve氏は、前回の大きな波は、2008年の金融危機の時に起きたクラウドコンピューティングの台頭。これによりEコマースの加速し、ライドシェアリングなどのサービスが登場したことに触れていた。さらにパンデミックという世界が直面する危機が、経済や社会全体のレベルそして、ビジネスチャンスのレベルが上昇しているのだと主張していた。

イノベーションの加速を説明するスライド。Steve氏は、eコマース、医療、娯楽、教育の領域での統計データに触れ、現在において社会における巨大な潮流について触れていた。

「Intelligence of Things」は重要なキーワード

ここで、今年のCESで注目すべき領域は何であるかについて触れたい。2020年開催時の本セッションについては、私は次の10年の最も重要なトレンドは、「Intelligence of Things(知性を宿すモノ)」であるとレポートした。

2021年においても、この新しいIoTであるIntelligence of Things(元々はInternet of Things モノのインターネットであった)は、世界経済を本当に支え、消費者のテクノロジーのみならず多くの産業領域に進出しているという。

さらにAI/MLを中心領域として、デジタルヘルス、デジタル・トランスフォーメーション、ロボット及びドローン、自動運転など自動車関連の技術、スマートシティ、そして5Gが今年のテーマだという。

CTAによる2021年の主要トレンドを紹介するスライド。

Intelligence of Thingsがあらゆる領域で勢いを増していることを説明したスライド。「43%のITリーダーはパンデミックの結果、AI/MLが予想以上に重要だと考える」、「RPA(ロボットプロセスオートメーション)は、20億ドルの産業になる」、「自然言語処理の予算は2019年と比較して10%以上増加する」「59%企業はクラウド利用が増加する」。

今年は誰でも家からCESに参加ができるのだ!

今年のCESは、オンライン開催、毎年現地に赴き現地の空気を吸いながら最先端の考えに触れ、ネットワークを広げていく。そんな醍醐味がCESで、私も毎年訪れるこの刺激を楽しみにしていた。リアルなイベントに参加できないのは残念でならない。

しかし、残念なことばかりではない。それは、誰もが自宅から気軽に参加できるオンラインの環境にある。CESが提供するオンライン視聴聴講環境は、今のところ、とてもよいオンラインでの体験を提供していると思う。ウェブの使い勝手、講演内容、それにスピーカーが用意するマテリアル(映像やスライド)など、非常に行き届いていると感じる。読者の皆さんには、今からでも間に合うので是非ともCESの参加をされることをオススメしたい。今年を占うテクノロジートレンドに触れるだけでなく、オンラインカンファレンスの完成されたひとつの形に触れることができるはずだ。

というわけで、今回のCES2021は“完全オンライン”版をお届けしたいと思う。

電通
CDC ビジネストランスフォーメーション・クリエーティブ・センター
エクスペリエンスデザイン1部長/クリエーティブディレクター
森直樹氏

光学機器のマーケティング、市場調査会社、ネット系ベンチャーなど経て2009年電通入社。米デザインコンサルティングファームであるfrog社との協業及び国内企業への事業展開、デジタル&テクノロジーによる事業およびイノベーション支援を手がける。公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の幹事(モバイル委員長)。著書に「モバイルシフト」(アスキー・メディアワークス、共著)など。ADFEST(INTERACTIVE Silver他)、Spikes Asia(PR グランプリ)、グッドデザイン賞など受賞。ad:tech Tokyo公式スピーカー他、講演多数。

 

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