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コラム

コピー年鑑と私

読むなら、ノートのように真っ白な気持ちで。(文・藤田卓也)

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東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体である東京コピーライターズクラブ(TCC)。「TCC賞」応募作品の中から、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」の入賞作品と優秀作品を収めた『コピー年鑑』は1963年に創刊、2022年度で60冊目を迎えます。各年鑑はその時々の時代性を広告という側面から反映した貴重なものとなっており、特に、コピーに関してはバイブル的存在として受け入れられています。
そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第2回目は、スタディサプリ「18の問い」などを手がけられた藤田卓也さんです。

すばらしい広告を、リアルタイムに体験したかどうか。つくる側になったからこそ、その大切さを痛いほど感じる。純粋で、それゆえに強い。まるで宝石のように輝き、導く指針になる。これを超えられるか、と自分を追い詰めることにもなるのだが。

計画停電で真っ暗のリビングで、ただ一つ光るノートパソコンで流れた九州新幹線「祝!九州」の衝撃を僕は生涯忘れないだろうし、教室のどこにも居場所がないと感じていた中学時代に出会ったファンタ「名物先生」シリーズの痛快さったらなかった。

リアルタイムは強い。だけど限界がある。流れているすべての広告に接触することなんて不可能だから。だから僕は今日もコピー年鑑を浴びる。1ページ目から、巻末の協賛広告まで、順番に。賞を取ったかどうかは関係ない。自分がどう感じるか。それだけを確かめる。企画の参考にと手に取るようになったコピー年鑑だが、ページをめくる間だけは、視聴者になれるのだ。

藤田卓也 ふじた・たくや
TCC2015年入会

1987年広島県福山市生まれ。京都大学工学部で化学を、東京大学大学院工学系研究科で技術経営を修了。ずっと理系が、2012年に電通に入社するとコピーライターに。Twitterが好きで、公式マーク付き。2020年より伊藤直樹・中村洋基が代表を務めるPARTYに出向中。最近の仕事に、スタディサプリ「18の問い」、JUMP FESTA、SixTONESなど。

 
※4月27日より六本木「文喫 」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~5月26日(木)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
店休日:不定休
観覧料:入場無料

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関連リンクと年鑑表紙画像
『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)