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コラム

コピー年鑑と私

仕事がない新人。 (文・岩田泰河)

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東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体である東京コピーライターズクラブ(TCC)。「TCC賞」応募作品の中から、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」の入賞作品と優秀作品を収めた『コピー年鑑』は1963年に創刊、2022年度で60冊目を迎えます。各年鑑はその時々の時代性を広告という側面から反映した貴重なものとなっており、特に、コピーに関してはバイブル的存在として受け入れられています。
そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第4回目は、日清食品「匂わせエスニック」などを手がけられた岩田泰河さんです。

入社した頃(2014年)は、仕事がなく、暇だった。
汐留のアドミュージアム東京にある自習室に通い、
過去のTCC年鑑を読んで時間をつぶしていた。

ノートのページに縦線を引いて3つのブロックに分け、
掲載コピー|企画を一言で言うと|応用イメージ
に分解したメモを書いていく。
コピーを写経するだけだと眠くなるが、
「その考え方で他の商品のコピーを書くとこうなる」
という応用イメージを書くと、飽きることがなかった。

だが、自習室にこもりきりの新人に、仕事は来ない。
半年が過ぎても仕事はほとんど増えなかったので、
やがて数十年分のTCCのアーカイブが完成した。

それからおよそ9年が経つ。
この時につくった思考回路のおかげで、
コピーを見れば企画がわかるようになった。
コピーを起点にキャンペーンもつくれるようになった。

だから、TCC年鑑には感謝している。
感謝しているが。
ずっと自習室で読んでいたので、
自分で買ったのはまだ2冊だけだ。
これから恩返ししていきたいと思っている。

岩田泰河 いわた・たいが
TCC 2021年入会

2014年電通入社。コピーライター。最近の仕事:ほろよい「ほろよい飲んで、なにしよう?」、日清「匂わせエスニック」、KANEBO「I HOPE.」、アルフォート「群青」、クラフトボス、Netflixなど。

※4月27日より六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~5月26日(木)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
店休日:不定休
観覧料:入場無料

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関連リンク
『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)