そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第11回目は、ファーストリテイリングなどを手がけている斉藤賢司さんです。
20代の頃、コピーを考える前の“儀式”がありました。机に数冊のコピー年鑑を積み上げ、数多の広告コピーを次々と見ていくのです。
……なんて言うとパクるネタ探しみたいですが、違います。自分の脳を“広告脳”に切り替えるスイッチと思っていました。
人が人に伝えるために考えた、切り口の数々をたどる。たとえば……、変化を見せる。不満に気づかす。思想を語る。それがない暮らしを仮定する。コンプレックスを突く。機能を直截に語る。一見関係ないものに喩える。使う人をブランド化する。行動に呼び名をつける。自虐の中に紛れこます。最後にひっくり返す。ひとつ先の便益を語る。自分以外をユーモラスにけなす、などなどなど。
シャワーのように浴びて、ふと自分の担当商品を見る。すると、いつもと違う角度から見ることができる。そんな感覚です。
広告の基本は“コピー的な発想”だと信じています。コピー年鑑は、若い私にとって学校でした。年鑑を通して、伝えるということが“体に入った”ように感じます。
この学校の門を新たにくぐる人が増えることを願っています。この学校は、おもしろいですよ。ほんと。
斉藤賢司 さいとう・けんじ
TCC1997年入会
コピーライター/クリエイティブディレクター。1969年生まれ。博報堂を経て、2007年、ホンシツを設立。最近の仕事:午後の紅茶、ファーストリテイリング など。商品・事業開発の段階から関わる案件も多く、日清食品「カレーメシ」のネーミングなども手がける。教育系スタートアップatama plusの創業時よりブランド戦略顧問を務めるなど、仕事の領域を広げている。
※六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~6月5日(日)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
観覧料:入場無料
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『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)
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