東京商工リサーチは1月23日、2022年に「不適切な会計・経理」があったことを開示した上場企業は、前年比7.8%増の55社だったと発表した。同社の集計では、不適切会計は2019年の70社73件をピークに、21年は51社51件まで減少していたが、22年は19年以来の前年増となった。
内訳では、架空売上の計上や、水増し発注などの「粉飾」が前年比6.6%増の16件。「着服横領」が同比16.6%増の14件だった。最も多いのは、経理や会計処理ミスなどの「誤り」で、同比4.1%増の25件。
広告・メディア関連では2022年の開示分で、以下のような不適切会計があった(内容は各社の調査報告書による)。
- アジャイルメディア・ネットワーク
- 台湾企業との架空取引、空発注のほか、計上すべきでない時期に売上や費用を計上していた。業績予想の下方修正を回避する目的のほか、取引先に独断で値引きを約束したことの隠蔽、不正行為が明らかになることや決算の訂正から逃れるため、といった動機が伺える。
- アジャイルメディア・ネットワーク
- 台湾企業との架空取引、空発注のほか、計上すべきでない時期に売上や費用を計上していた。業績予想の下方修正を回避する目的のほか、取引先に独断で値引きを約束したことの隠蔽、不正行為が明らかになることや決算の訂正から逃れるため、といった動機が伺える。
- オークファン
- 子会社による架空取引や、広告事業での売上の架空計上など。社内での目標達成へのプレッシャーが強く、未達分を埋めるためだった、などの動機が挙げられている。
- 大東建託
- 子会社でのキャンペーン旅行費用やリクルート、広告費用など、未払い費用の不正な計上など。予算と実績値のかい離を防ぎ、対外公表数値を維持するため、など。個人的な満足感充足にもつながっていた、という指摘がある。
東京商工リサーチの集計によると、不適切会計の当事者で「子会社・関係会社」は20社に上った。売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立つという。
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