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日光市「温泉推し」の銭湯イベント “日帰り”イメージ刷新

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栃木県日光市は3月15日、日光の温泉などをPRするイベント「日光風呂詣」を開始した。会場は東京・北千住の銭湯「タカラ湯」。認知度の高い「日光東照宮」以外の魅力を訴求し、さらに市内回遊による宿泊ニーズをとらえる狙い。「東京からは日帰り観光地」というイメージの刷新を図る。

2023年3月に同じ「タカラ湯」で実施した「日光めぐり湯」に続き、2回めの施策。前回は日光の天然氷を用いたかき氷の提供などを目玉に、9日間で約2000人を集客した。「ことしは、ど真ん中とも言える温泉の魅力を伝えたい」と日光市観光振興係の手塚章浩氏は意気込む。

タカラ湯の浴室。壁面に見えるのが「御ゆ印札」
洗い場には、「北千住なら(日光市まで)東武で1本よ。」の誘い文句。北千住にあるタカラ湯を開催場所に選んだ理由でもある
湯船に浮かぶヒノキの御守
(写真上)タカラ湯の浴室。壁面に見えるのが「御ゆ印札」/(同左下)洗い場には、「北千住なら(日光市まで)東武で1本よ。」の誘い文句。北千住にあるタカラ湯を開催場所に選んだ理由でもある/(同右下)湯船に浮かぶヒノキの御守

イベントは日光市の温泉と同じ成分の湯船に、「風呂詣」と刻印した栃木県産ヒノキのおまもりを浮かべたり、浴室の壁面に、日光市内12カ所の温泉の名称などを図案化した「御(ご)ゆ印札」を掲出したりと、「温泉」を前面に押し出した。

「観光地としての『日光東照宮』があまりにも突出している」と手塚氏は話す。「東京から電車で2時間かからず日帰り観光地だと認識されている」点も課題だ。日光東照宮以外の観光ポイントについて認知を高めたり、日帰りではなく、周遊に向いた観光地であることをアピールして、入込客だけでなく、宿泊客を増やす狙いがある。

2021年に始めた日光市のブランディング施策「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」の一環。同施策は、あまり知られていない魅力を発信し、「観光誘引のほか、地元市民にも誇りを持ってもらう」目的を掲げている。

「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」のロゴを用いた日光産コシヒカリ「しゃりまんてん」
来場者には栃木県産ヒノキを用いたおまもりをプレゼント。1日限定80個を予定
(写真左)「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」のロゴを用いた日光産コシヒカリ「しゃりまんてん」/(同右)来場者には栃木県産ヒノキを用いたおまもりをプレゼント。1日限定80個を予定

夏季向けの水遊びをテーマとした「水の遊園地マップ」、冬季には「雪の遊園地マップ」といったイラストマップを制作したり、「日光隠れすぎ遺産」と題したSNS「キャンペーンで、ガイドブックに乗っていないグルメや絶景、名物とも言える市民、ユニークな看板など、ガイドブックが拾いきれない観光ポイントを市民から募る企画などを実施している。

日光市の観光ルート「Route.N」をイラストマップに
カモシカのイラストマップ。日光市では足尾町などに生息する
(写真左)日光市の観光ルート「Route.N」をイラストマップに/(同右)カモシカのイラストマップ。日光市では足尾町などに生息する

「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」のロゴは、市に申請すれば民間企業も利用することができる。「日光風呂詣」では、ロゴを使用した商品、日光産コシヒカリの「しゃりまんてん」を販売。地元ではトラックにロゴを添えた運送事業者も現れている。

ブランディング施策の効果について手塚氏は「特に日光東照宮のある日光地域以外の観光客の伸びが顕著」と手応えを語る。2021年の観光客数は、コロナ禍もあって前年比94.6%に減少したが、22年は同比110.6%、23年は同比113.8%に。19年水準までは到達していないものの、回復の勢いは増している。

「これからも首都圏の方たちへのアピールと、市民のプライド醸成を両立させていきたい」(手塚氏)

イベントは3月24日まで。

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日光市がイベント「日光風呂詣」を開催している東京・北千住の銭湯「タカラ湯」
日光市がイベント「日光風呂詣」を開催している東京・北千住の銭湯「タカラ湯」