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バリューチェーンを包括的に捉えた 東急エージェンシーの「広告事業変革」

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飛躍的に高まるAI技術や、日々勢いを増すSNSへの対応など、変化の激流の中にある現在の広告業界。東急グループとして様々な顧客接点を持つ東急エージェンシーは、この潮流をどう捉え、新たなビジネスチャンスを生み出そうとしているのか。広告という産業の未来展望について、その構想を同社代表取締役社長 高坂俊之氏に話を聞いた。

写真 人物
東急エージェンシー 代表取締役 社長執行役員 高坂俊之氏

新たな価値の共創をバリューチェーン全体で

─昨今の広告ビジネスを取り巻く環境を、どのように捉えていますか。

広告の範囲や定義が変化している時代だからこそ、私たち東急エージェンシーは、“広告事業”を正面から捉え直して私たちならではの提案をするべきだと考えています。

私は大きくわけて「ビジネスモデル」と「ビジネスプラットフォーム」の両輪での変革が必要と考えています。その構想は本年度から始まる新中期経営計画に盛り込みました。

ひとつめの「ビジネスモデル」の変革では、お客さまのバリューチェーン全体を包括的に捉える視点が重要です。

企業の主活動は概ね6つのプロセスに分けられますが、当社のような広告会社がこれまで関わってきたのは、販売、アフターサービス・リレーションのプロセスでの広告やプロモーション、CRMの領域が中心でした。しかし、企業が消費者さらには社会に対して価値を創出するプロセスは決して、マーケティング・コミュニケーション領域にとどまりません。広くバリューチェーン全体に目を向け、現在お付き合いのある領域の前後のプロセスにおいても、当社および東急グループのリソースを活用し、ソリューションカンパニーとして価値を共創していきたいと考えています【図1】。なかでも「構想・企画」のプロセスへの取り組みを強化していきますので、この部分をお客さまとご一緒できると、とても嬉しいですね。


イメージ 図 バリューチェーンを包括的(Inclusive)に捉えたソリューションを提供
図1 バリューチェーンを包括的(Inclusive)に捉えたソリューションを提供

また全てのプロセスを貫いて推進すべき、現代の価値創造における重要なテーマが6つあると考えます。例えば「サスティナビリティの実現」については、社会課題をビジネスアイデアで解決し持続可能な社会をつくることをめざすプランニング・ユニット「POZI」を立ち上げて、2018年から活動を積み重ねてきた実績があります。

「理念の構築と浸透」に関しては、2000年代初頭からファシリテーションやワークショップのサービス「V-Ways」を提供し、ノウハウを蓄積してきました。新たなブランドコンサルティング・ユニットも設立予定です。

こうした知見をベースに、東急グループのリソースも重ね合わせることで様々な支援施策を展開できると考えています。グループ各社と協業していく場合には、「共創ビジネスプロデュース局」が中心になりプロジェクトを進めます。

当社の強みのひとつは「人」です。お客さまと一緒になって知恵を絞り汗をかく、機敏で誠実なチーム力を評価いただいています。そして2つ目が、「リアルな顧客接点」を持っていること。ブランドの体験価値をつくる際にも、「マス」「デジタル」「リアル」の3つを掛け合わせて最適な答えを出してくれる、という期待感を持っていただいています。このフィジカルとデジタルが融合した生活空間全体=Phyigitalで最適解を導きだす力こそが当社の強みであり、さらに磨きをかけていきたいと考えています。

─AI技術の活用も話題です。現時点での活用方針と実績についてお聞かせください。

当社では昨年、テレビCMのクリエイティブにAIタレントを活用したのですが、非常に大きな反響がありました。またメディア領域では、AI活用は既に実践段階に入っています。OOHのデジタルサイネージにはAIカメラを導入し、人流とターゲットの属性分析を日常的に行っています。

また、希望する従業員全てが生成AIをセキュアな環境で使えるようにしています。今後は、AIを活用し成果にこだわる体系的なソリューションをご提案できる体制を構築したいと考えています。

「効率化」と「高付加価値化」同時に追求することに鍵がある

─人材採用、人材育成に関しては、どんな方針をお持ちですか。

一番大事なことは、人とテクノロジーを響き合わせ課題解決力を高めることだと考えています。そのために、人とシステムに対する成長投資を強く推し進めます。

特に人の面では、多様化する課題に応えるべく、一人ひとりが有するタレント性を開花させる「HRX(人事戦略変革)」を掲げ、元ヤフーおよびZホールディングス(現LINEヤフー)で人事トップをつとめられた本間浩輔氏をHRXアドバイザーとして招聘することになりました。

─今後、競合が広告業界以外となった場合、どのような市場が考えられますか。

バリューチェーンの川上中心、かつ経営戦略をテーマとする領域は戦略ファームの皆さんと協業すべきだと思います。私たちがフォーカスすべきは、プロセス全体を貫き、「人」の意識と行動の観点から洞察・企画・実践していく、いわば“マインドセット・シフト”の領域です。

先ほど挙げた「サスティナビリティ」や「ブランド」などは、ステークホルダーの意識をAからBにシフトするにはバリューチェーン全体で何を実践すべきなのかというテーマであり、私たちらしい優位性が発揮できると考えています。また昨今、従業員のエンゲージメントに関する悩みを多く聞きます。働く「人」の意識と行動というテーマは、私たちの強みが生かせる領域のひとつです。

お客さまの現在の主な課題は、事業オペレーションの効率化と高付加価値化の追求を同時に行わなければならない点にあります。東急エージェンシーは、今後もデータドリブンをベースにしつつも、「ヒューマンドリブン」、東急グループとしての「カルチャードリブン」な独自の企業カラーを大事にしながら、そこに応えられる会社になりたいと考えています。

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