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オリコムとトライバルメディアハウスが協力 OOH×SNSで新たな体験設計を

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コロナ禍を経て、OOHを取り巻く環境は大きく変化した。人々が街に戻るにつれOOH市場も回復しつつあるが、急速に浸透したデジタルシフトの影響は、生活者と企業の双方に変容を強いている。そんな情勢の中、OOH施策に長けたオリコムとソーシャルマーケティングにノウハウを持つトライバルメディアハウス、他に負けない独自の特徴を誇る両社に話を聞いた。

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左から)トライバルメディアハウス マーケティングデザイン事業本部 執行役員 本部長 鳴海まい氏、オリコム 第1メディアプロデュース局 プログラマティックメディア部 メディア アクティベーション ディレクター 山本正博氏

パーソナライズが進んだ世界ゆえにOOHの偶発性が魅力に

コロナ禍が明け、人流の回復に従って、屋外広告や交通広告への注目度が日々高まっている。生活のデジタルシフトにより、人々が気軽にSNSで情報発信を行うようになったことで、OOHも従来式の「偶然、見た人にだけ伝わる」かたちではなく、撮影・共有されることで、デジタルの世界にて一気にバズの中心になるケースも増えた。話題の中心になり得るメディアとしてのOOH。そして、OOHの持つ広告力をエンパワーメントするSNS。OOHに対して長年蓄え続けてきた知見と経験を持つオリコムと、デジタル、特にソーシャルマーケティング支援において強みを持つ、トライバルメディアハウス。それぞれの立場からOOH×SNSのシナジーを語る。

オリコム 第1メディアプロデュース局プログラマティックメディア部メディアアクティベーションディレクターの山本正博氏は、「『人に伝えたくなるメディアとしてのOOH』と『SNSマーケティングの知見』が噛み合うと、新しい体験設計ができる」と説明する。

「OOHには、『外に出て偶然出会う広告』としての存在感があります。メディアがデジタル化を進めるほどに、どんどんパーソナライズ化が進んでいくのは避けられないことですが、それは無駄がなくなる反面、『外部から得られる刺激が既知のものばかりになっていく』という危険性もあわせ持っています。OOHは広告の中でもパブリックな性質があり、偶発性もある面白いメディアです。トライバルメディアハウスさんの得意とするSNSでの展開だったり、KPIの計測等の分野でお力添えをいただいて、オリコムの持つ強みをより伸ばしていければと考えています」(山本氏)。

生活者の倫理観が問われる ソーシャルで広がるフェイクOOH

山本氏が語るように、OOHはパブリック性の高いメディアだ。そこにいる誰しもが見ることができる以上、誰が見ても不快にならないような配慮と厳しい審査があり、それがOOHへの高い信頼感を裏付けている。トライバルメディアハウス、マーケティングデザイン事業本部本部長の鳴海まい氏は、「OOHの持つパブリック性は、生活者同士の共通言語になり得る」と話す。

「OOHは、『公共の場に推しが出てきた』といった、サプライズ的なワクワク感を提供できるメディアだと捉えています。現実の場にしっかり存在することで、『私も見に行きたい』と、好きな者同士の共通言語になります」(鳴海氏)。

生活がデジタルシフトしたことにより、リアルの体験価値は逆に高まりつつある。OOHについても、特別な体験設計ができる媒体として注目が集まっているが、同時に、「デジタル世界にしか存在しないOOH」という不思議なものも台頭し始めている。それが「フェイクOOH」だ。

「海外を中心に、CGを使って特殊なOOHの動画をつくってアピールする手法が増えてきています。地下鉄の車両を瞳に見立てて巨大なマスカラを塗ったり、建物にダウンジャケットを着せたりと、現実では到底実現できないような、インパクトあるフェイクOOH動画は、ソーシャル上にしか存在しないのにもかかわらず、大きな話題を呼んでいるといいます。プロモーションとしての効果自体はとても素晴らしいのですが、OOHのパブリック性を考えると、倫理的にどうバランスを取るかが課題になると感じています」(山本氏)。

フェイクOOHのクオリティは非常に高く、プロの目から見ても真贋がつかないものも増えているという。また、生成AIがクリエイティブをサポートすることで、そうしたフェイクOOHが気軽に濫造される未来もあり得る。「無限の可能性を秘めた手法である反面、生活者の信頼を損なう可能性があるため、企業としてのコミュニケーションの仕方はしっかり考えないといけない」と鳴海氏は話した。


写真 イメージ 「孔明サングラスサイネージ広告」


写真 イメージ 「孔明サングラスサイネージ広告」
オリコムは2023年9月、東京メトロ新宿駅メトロプロムナードにて、フジテレビジョンのドラマ『パリピ孔明』のOOH特殊展開「孔明サングラスサイネージ広告」を企画制作。

デジタル施策をやり尽くしたブランドがOOHに目を向けている

コロナ禍以後、リアル空間で開催されるイベントや、実際に見に行けるOOHの需要は増加の一途を辿っている。それに加えて、ここ数年で急成長を遂げたSNSを取り巻く環境は、戦国時代のように複雑化し、通り一遍の方法では充分な効果を挙げられなくなってきた。だからこそ、OOHとSNSのしっかりとした連携が必要とされている。

また、面白い逆転現象として、「デジタルからリアルへの流入」がある。Instagram発のブランドやデジタルサービスを提供していた会社が、より多くのユーザー認知を求めてOOH出稿を始めているという。そうした、これまでにない商材や業界がOOHに進出してきたときに障壁になるのが、数値計測の部分だ。デジタルの業界で成長を遂げてきた企業を満足させる精度のKPIを採ることは、OOH単体では難しい。ただ、実際は「効果が可視化できないのではなく、検証方法が統一されていないからだ」と山本氏は指摘する。「OOHの定量的な効果検証においては、例えばプログラマティックOOHでは事前にさまざまなセグメントによるプランニングが可能であったり、事後には到達人数の数値化も可能になってきています。媒体が多様化しているため、検証難易度は高いですが、オリコムでは業界統一基準を策定するための活動もしています」(山本氏)。

企業からの一方的な発信や宣伝が届きにくくなっている昨今では、ソーシャルメディアを見越したマーケティングを行うことで、生活者とともにブランドを育てていくことが最適解になりつつある。偶発的な出会いを提供し、話題の中心となり得るOOHは、SNSの力を借りて波及していくことで、さらなるコミュニケーションを生み出せるだろう。

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株式会社オリコム
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