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コーチのような存在の本―『広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉』によせて(片岡良子)

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私にとって、『広告コピーってこう書くんだ!読本』は、教科書ともバイブルとも少し違うように思います。本屋に並びがちな、答えはすべてここにある系書籍や、成功した俺の話を聞け系書籍とは全く毛色が異なるもので、「結局は、自分で考えるしかない」という、この仕事のおっかない本質に気づかせてくれる。そして、なるべくたくさん考えるためのサポートをしてくれる。そんなコーチのような存在かもしれません。

本書を初めて手にしたとき、私はまだ営業の部署におりました。コピーライターになりたくて、やる気だけは痛いほど溢れていた私を、正しく、コピーライターらしい思考に導いてくれたのは、ほかならぬこの黄色い一冊です。

広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉
4月11日発売/谷山雅計著/定価2,200円(税込)

 

無事にコピーライターになってから驚いたのは、谷山さんの教えの「流通力」。まさに、この「流通力」という言葉もそうですが、谷山さんの教えは、すでに広告制作業界に広く浸透し、共通言語になっているものも多い。「描写ではなく解決だよ!」とか、「まずは散らかしてみて!」など、谷山さんの本に書かれた言葉を、CDや先輩たちの口から聞くこともよくあります。

会社で教えてもらえるなら、別にわざわざ読まなくていいか…と思われた方もいるかもしれませんが、そこはやはり「原作」に触れておくことをオススメします。純度の高い教えのほうが、納得感があるはずです。

ちなみに今回、このコラムのご依頼をいただき、改めて読み直したところ、自分がいかにサボっているか気付かされ、今とても焦っている状態です。「自分のコピーは読んでもらえるに違いないという甘え」「書き手のヨロコビ」「カタチだけの納得」などなど、心当たりがありすぎて、グサグサと来てしまいました…。

コピーライターになって7年目。フォームが身についた気になっていた自分を叱りつつ、もっと遠くを目指したい自分を応援しつつ、もう一度、この黄色い本に立ち返って、コピーの足腰を鍛え直したいと思います!

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片岡良子
CHERRY コピーライター

2012年ADK入社。約5年営業を経験し、コピーライターに転向。2022年からCHERRY所属。広告されない、ちいさなモノゴトマガジン『ちい告』共同編集長。ACCゴールド、TCC審査委員長賞、TCC新人賞、FCC古屋彰一賞など受賞。しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦「キミは、いたほうがいいよ。」新聞広告、明治 エッセル スーパーカップ「ふつうの日、スーパー最高では?」、Oops WOMB「子宮との365日に、ちょっぴりピースを。」、Amazon Prime Video BACHELOR・BACHELORETTEシリーズなど。

 

コピーライティングのベストセラー教本、待望の増補新版
広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉
谷山雅計著/定価2,200円(税込)

2007年に発売された広告コピーのロングセラー書籍『広告コピーってこう書くんだ!読本』が、増補新版になって新登場。デジタルやSNS時代のコピーのあり方についても言及した、約2万5000字の新テキストを収録しました。「人に伝わる」「伝える」広告コピーを書くためのプロのエッセンスを学べる一冊。