社内コミュニケーションで“多様性のある企業”に一本柱を通す鍵とは

「社内コミュニケーション」の重要性が高まっていると言われる昨今。背景にあるのは、企業が持続的に成長する勝ち筋となる、「理念の浸透」だという。従業員の当事者意識を高める社内コミュニケ―ションのコツについて、むすび代表取締役の深澤了氏に聞きました。
※本記事では、広報会議2024年7月号・特集「社内コミュニケーション 多様性ある組織で一体感を高める方法」に掲載している内容を一部転載しています。

Q 社内コミュニケーションの重要性が高まっているのはなぜですか。

A. 企業の持続的な成長には、「理念」に共感した人が集うコミュニティのような組織づくりが欠かせないため

昨今、パーパスや行動指針などの「理念体系」を打ち出し、重視する価値観や方針を従業員に浸透させる活動に注力する企業の動きが目立っています。「自社の存在意義」を明確にして求心力を高めることが、企業の持続的な成長につながると考えられているからです。

いわゆるインターナルブランディングと呼ばれる戦略ですが、その打ち手としての社内コミュニケーションが活発になっています。

「理念」を中心に集う組織

ではなぜ、自社の求心力を高めることが、企業の持続的な成長につながるのでしょうか。背景にあるのは、「働き方の多様化」です。

終身雇用制度の衰退に伴い人材が流動しやすくなり、フリーランス人口も増えています。少子高齢化による人手不足などを受け、さらなる人材難が想定でき、働く人の側が「どの企業で仕事をするか(どの会社と仕事をするのか)」と “選ぶ意識” が強くなっているのも事実です。

「企業理念」により「何のための働くのか」を明確化した上で共感者を集ってコミュニティ化できるようなコミュニケーションを行っていくことは、企業が持続的に成長していく勝ち筋と言えるのです。

さらに言えば、従業員のみを対象にするのではなく、未来の従業員となる求職者や、共創相手となるフリーランスなどに対しても、「企業理念」や「自社の存在意義」を軸にコミュニティ化していくコミュニケーションが今後求められていくでしょう。社内コミュニケーションは、この企業の「理念」を持続的に伝えていく観点で重要性が高まっています。

図1 継続的な成長を遂げる組織のあり方

もちろん、ミクロ視点における企業の課題は、「従業員のモチベーションが低く業務の効率が悪い」「離職する従業員が多い」「コミュニケーションが少なく意見を言いづらい雰囲気がある」など様々でしょう。このため個々の課題に対して1on1や研修などを実施するといった打ち手を講じている企業も見られます。

しかしそうした企業が見落としがちなのは、それらの課題の要因が「組織構造にある」ということです。つまり、個々の課題への「対症療法的な打ち手」ではなく、企業理念を起点とした「抜本的な打ち手」で組織構造から変革していくこと。これが、「企業が永続的に成長していく再現性を高める」ために必要であり、社内コミュニケーションに求められることなのです。

Q2 社内コミュニケーションにより、どのような効果が期待できるのでしょうか。

A. 働きやすさや会社のチーム力、生産性の向上、結果的に業績の向上も期待できる

効果的な社内コミュニケーションを行うことで、理念の認知・浸透が進んだ組織に期待できる効果は多数挙げられます。

先に挙げた人材確保はもちろん、職場での理念浸透は、仕事に対してのポジティブで充実した心理状態を示す「ワーク・エンゲージメント」をはじめ「職場の一体感」「職務の遂行」「創造性の発揮」「積極的な学習」にそれぞれ正の相関関係があることが複数の調査で分かっています。また理念浸透と業績の間には、統計的な高い相関関係があることも指摘されています。

理念浸透はリモートでも効果的

それはリモートワークの環境下でも同様です。私が発表した論文では、ビジネスパーソン500 人にリモートワーク下での「理念の意識と浸透」に関する質問を実施しました。

その結果、企業理念を共感・理解しているうちの約90%が日々の業務で企業理念を意識しており、それらの層は「個人や会社の生産性」「会社への愛着」「共感度合い」「モチベーション」「チームワーク」に関してポジティブな反応を示していることが明らかとなっています。

つまり理念への周知・共感を図る社内コミュニケーションの実施は、リモート環境下でも業務パフォーマンスなどの向上につながっていくと言えます。

コミュニケーショントラブルの防止に

では逆に、企業の価値観やビジョンなどの「企業理念」の周知・浸透を図る社内コミュニケーションをしない場合はどうなるのか…

 

続きは、広報会議2024年7月号・特集「社内コミュニケーション 多様性ある組織で一体感を高める方法」からご覧いただけます。本誌では「社内コミュニケーションを成功させるポイントは?」「社内コミュニケーションの好事例は?」など、社内広報担当者のよくある疑問にも答えています。

またこのほかにも、音声メディアを活用している「エバラ食品工業」や、動画社内報を用いている「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」など、社内コミュニケーションにおける多様な業種・業態の企業事例を紹介しています。

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広報会議2024年7月号

写真 表紙
  • 特集
  • 社内コミュニケーション
  • 多様性ある組織で一体感を高める方法
  • GUIDE
  • なぜ今、社内コミュニケーションが重要か
  • 「理念浸透」が多様性ある組織の一本軸に
  • 深澤了 むすび代表取締役
  • GUIDE
  • その社内向け施策、本当に社員に響いてる?
  • ストーリー系コンテンツの可能性に注目
  • 小野真由美 グラスルーツ代表取締役
  • GUIDE
  • エンゲージメント調査を活用し対話の場の構築を
  • 広報部門は「部門間の橋渡し・翻訳機能」を担う
  • 岡田恵子 タワーズワトソン取締役
  • GUIDE
  • 組織の「心理的安全性」の向上に
  • 効果的な社内コミュニケーション施策
  • 曽和利光 人材研究所代表
  • 対談企画
  • ユニーク入社式実施企業に聞く
  • 社員が自発的に参画したくなる仕組みづくり
  • パナソニック コネクト 鈴木恭平×ローソン 村田くるみ氏
  • CASE1
  • 「エバラジオ」予定調和なしのリアルさで関心喚起
  • 参加型コンテンツで従業員200名が登場
  • CASE2
  • パーパスが実現した未来をレゴブロックで表現
  • カオナビのボトムアップ型プロジェクト
  • CASE3
  • 社員に寄り添うトップメッセージを部内で企画
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の動画社内報
  • CASE 4
  • 2024年度新入社員がCMを制作
  • チームでの挑戦により仲間意識を醸成
  • CASE 5
  • 社員向けクーポン配布を登録のフックに
  • LINE社内報「ひざつきジャーナル」
  • CASE 6
  • 1日出社イベントで部署内外の交流活性化
  • 昼開催で時短社員含め誰もが参加しやすく
  • CASE7
  • グループ2社横断型の「組織一体化プロジェクト」
  • サンプル配布で「思い」伝え社内ファン醸成
  • COLUMN
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  • 社内報のコンテンツ・アイデア集
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