本コラムでは、インドの都市プネーで開催された二つの広報・PR関連の国際イベント、「PRAXIS 2024(プラクシス2024)」と「IPRN AGM 2024」へ、筆者が現地参加した際に得た知見や抱いた所見を読者のみなさまにお届けします。昨年、プエルトリコの首都サンファンで実施されたイベントを元にした同シリーズは、こちらです 。
筆者は、コミュニケーション・広報のコンサルティング会社Key Message International(KMI)の代表取締役をしています。昨年同様に、これまで国内/外資のファームなどで積んだ、デジタル・グローバルな広報・PR経験をふまえながら、グローバルPR市場からの知見や課題を独自の視点からお伝えします。
筆者は、コミュニケーション・広報のコンサルティング会社Key Message International(KMI)の代表取締役をしています。昨年同様に、これまで国内/外資のファームなどで積んだ、デジタル・グローバルな広報・PR経験をふまえながら、グローバルPR市場からの知見や課題を独自の視点からお伝えします。
4回目の今回は、PRAXIS 2024とIPRN AGM 2024で発表されたものの中から、
日本の折り紙を使ったイベントPRの事例を紹介します。
1000年以上も続くインドの「バリヤトラ祭」
インド南東部、ベンガル湾に面するオリッサ州のカタック県では、その豊かな海洋史を記念してバリヤトラというお祭りを開催します。この祭りは同地で、1000年以上前から続く長い伝統を誇ります。ベンガル湾を渡り東南アジアのバリ島へ航海する商人たちは古来より、11月の満月の日、船が出航するために適した風が吹くこの日を、その年の長い航海を開始する日として祝ってきました。
バリヤトラ祭は例年、カタック県庁とカタック市公社が他にもいくつかの政府機関と協力して開催しています。9日間の祭りを通してカタックと近隣地区からは、何千人もの人々が河畔で開くアジア最大規模の野外見本市に集います。
バリヤトラ祭は文化的、歴史的な側面に加え、商業的側面も重要です。自動車や電子機器から地元の職人製品まで、あらゆるものが比較的安い値段で購入される期間でもあります。行政機関はオークションを通じて1500以上の屋台を業者に割り当てており、見本市では9日間で、100億ルピー(記事執筆時点のレートで、約17憶9313万円)以上のビジネスが成立すると見積もられています。