テレビCMは本当に不要か マス広告ゼロ「アサヒ×BLACKPINK」に学ぶ、広告投資の最適化

重要なのは「メディアニュートラル」な戦略設計

YouTubeの最新情報を紹介する「YouTube Brandcast 2025」では、企業による活用事例も紹介された。アサヒビールは若年層への訴求を強化するため、YouTubeを核とした次世代マーケティング戦略を推進している。その一環として、広告投資の配分を抜本的に見直し、主力ブランド「アサヒスーパードライ」ではテレビ広告出稿をゼロにしたうえで、世界的アーティスト「BLACKPINK」を起用したキャンペーンを展開。若年層の購入意欲を大きく押し上げるなど、高い成果を上げた。

同社コミュニケーションデザイン部 担当副部長の栗岩洋平氏は、講演の中でデジタルシフトの背景と、媒体特性にとらわれない「メディアニュートラル」な戦略設計の重要性について解説した。

「BLACKPINK」を起用したスーパードライのキャンペーン

「BLACKPINK」を起用したスーパードライのキャンペーン

同社は主力商品であるビールのほか、ノンアルコール商品など多様な飲み方に応える「スマートドリンキング」カテゴリーも展開しており、顧客一人ひとりに合った飲用体験を届けるマーケティング活動を推進している。

国内には「よく飲む人」から「飲まない人」、さらには「飲めない人」まで、多様なクラスターが存在するとし、性別・年代・趣味嗜好・ライフスタイルに合わせたきめ細かなコミュニケーションを展開している。栗岩氏は「ブランドの存在意義を顧客と共創していくためには、まずお客様に確実にメッセージを届けることが必要だ」と話す。

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