アミューズメント施設の企画・運営を行うタイトー(東京・新宿)は3月30日、1965年に発売した国産初とされるクレーンゲーム機「クラウン602」を探すプロジェクトの結果を発表した。2025年10月24日から2026年1月16日まで実施した全国募集には、WebやSNSを通じて4400件を超える情報や思い出が寄せられた。
同社は2025年10月、クレーンゲーム誕生60周年の節目に合わせ、「#クラウン602を探せ!」プロジェクトを開始していた。現物や関連写真、過去の記録に加え、「クラウン602」やクレーンゲームにまつわる思い出も募り、最も有力な現物情報を寄せた1人には10万円、エピソード投稿者から抽選で3人には最新ゲームソフトを贈るとしていた。
「クラウン602を探せ!」プロジェクトの募集告知ビジュアル
「クラウン602」は、太東貿易時代の1965年に発売された箱型のクレーンゲーム機で、左右と天板がガラス張りになっているのが特徴だ。遊び方は現在のクレーンゲームに近く、当時はキャラメルやたばこなどが景品として使われていたという。同社は、記録から消えつつあるこの筐体を探し出すことで、日本のものづくりや娯楽の歴史を次世代につなげたいとしていた。
結果として「クラウン602」そのものの特定には至らなかった。一方で、捜索の過程で「クラウン602」の系譜を受け継ぐ後継機「クラウン603」の所在を確認した。タイトーは、完全一致こそかなわなかったものの、利用者から寄せられた記憶や投稿が、アミューズメント史の空白を埋める手がかりになったとしている。
探していた機種「クラウン602」を継承する後継機「クラウン603」の筐体
募集期間中には、「子どもの頃に親にねだって景品を獲った」「今はなくなったデパートの屋上で見た」といった思い出も数多く寄せられた。タイトーは、こうした投稿を単なる情報ではなく、クレーンゲーム文化が生活者の記憶に深く根付いている証しと位置付ける。今回の募集で集まったエピソードについては、抽選で3人に最新ゲームソフトまたは同社運営施設の招待券を贈る。
発見された「クラウン603」は現存しているものの、現時点で稼働可否は不明だという。今後は、同社のテクニカルサポート事業部「TAITO TECH」がオーバーホールを実施し、稼働に向けたメンテナンスを進める予定だ。


