mudが「TOKYO PROTOTYPE」出展、AIで創造性を拡張するレースゲーム初公開

2019年に設立されたクリエイティブスタジオ「mud」は1月、「TOKYO PROTOTYPE」に出展した。AIによる創造性の拡張を誰でも体感できるレースゲーム「PROMPT RACING」を初公開した。
写真 人物 (左から)ゲームエンジニアの星野泰宏さん(フリーランス)。以下、mudのメンバー。テクニカルディレクター 芦川能純さん、デザイナー 梁取瑶さん、代表取締役/プロデューサー 松本晃次郎さん、エンジニア/アーティスト 長谷川希木さん、エンジニア 伊﨑一帆さん、プロジェクトマネージャー 宮﨑紗弥さん。

(左から)ゲームエンジニアの星野泰宏さん(フリーランス)。以下、mudのメンバー。テクニカルディレクター 芦川能純さん、デザイナー 梁取瑶さん、代表取締役/プロデューサー 松本晃次郎さん、エンジニア/アーティスト 長谷川希木さん、エンジニア 伊﨑一帆さん、プロジェクトマネージャー 宮﨑紗弥さん。

「誰でも楽しめる」体験設計が得意

mudは2019年、代表取締役でプロデューサー/クリエイティブディレクターの松本晃次郎さん、テクニカルディレクターの芦川能純さん、エンジニアでアーティストとしても活動する長谷川希木さんが設立したクリエイティブスタジオだ。空間デザイン、場づくりなどを含む体験設計を得意とする。

社名の「mud」は、同社が重視するカルチャーのひとつ「泥の姿勢」に由来。「どろどろと湧き出る、ものづくりの衝動に正直であること。泥のように考え、泥のようにつくること。粘土のように柔軟に、自在にかたちづくること」を大事にしたいという思いが込められている。

この1年で新メンバーが増え、現在のスタッフは7人。創業メンバーに加え、エンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャー、ストラテジストといったポジションのメンバーが在籍する。「僕はデジタルプロダクションを経て、場づくりを主軸としたコンサルティングファームに所属していたこともあり、ブランディングやテクノロジーと掛け合わせた体験設計や空間演出に強みがあります。mudとしても、これまでの経験から一般の方まで広く楽しめるエンターテインメント性の高い体験の提供が得意です」(松本さん)。

近年では、BANDAI SPIRITSが2024年に『ガンダム』45周年を迎え企画した、不要になったランナー(プラモデルの枠の部分)を回収する「GUNDAM CONNECT BOX」を制作。ランナーを専用ボックスに投函すると、歴代のアニメ素材を使用した演出が起き、投函されたランナーがどのようにリサイクルされるかがわかる体験を構築した。

このほか、企業やサービスのブランディング、新規事業の立ち上げにも多数取り組んでおり、名古屋のメーカー・フタバが手がける箔押しペーパーアイテムブランド「ROKKAKU」のリブランディングなどの実績がある。

ガンダム45周年「GUNDAM CONNECTBOX

BANDAI SPIRITS /ガンダム45周年「GUNDAM CONNECTBOX」。©サンライズ

フタバ「ROKKAKU」リブランディング

フタバ「ROKKAKU」リブランディング。

発想を引き出し、1180台のマシンを生成

今回出展した「TOKYO PROTOTYPE」では、現体制としては初の自主制作コンテンツ「PROMPT RACING」をお披露目した。AIのプロンプトから生成されたマシンで競い合うレースゲームで、ユーザーは専用画面にテキストでマシンのイメージを入力し、レースにエントリー。「紙が風になびく巨大トイレットペーパーマシン」「眠っている人を燃料に走るマシン」などと自由に打ち込み、あらゆるアイデアや想像をマシンとして具現化できる。

AIによる生成を経て、参加者は自らのマシンが走るレースを現地のモニター画面やYouTube配信で楽しむことが可能だ。「AIを活用したのは、AIは効率化や生産性の向上だけでなく、創造性を拡張するパートナーとしての側面があることを誰でも楽しめる形で伝えたかったからです」(松本さん)。

子どもから高齢者まで幅広い層が体験することを想定し、プロンプト入力のヒントを設けたほか、生成を3回まで試せるようにするなど、ユーザーの創造性を引き出す設計を工夫した。生成したマシンでありながら、実際にレースに参加している臨場感を出すためにコースのデザインや実況音声なども細部までつくり込んだ。

制作期間は企画から完成まで約3カ月というタイトな進行。肝となるAIは検証を重ね、「ユーザープロンプトの解釈とマシンパラメータ生成にChatGPT、画像生成にGemini、Image-to-3DにMeshyを使っています(2026年1月時点)」と芦川さんは説明する。

また、マシンの生成後は著作権を侵害していないか、公序良俗に反していないかという視点で検閲する工程を経ている。「AI体験で面白いのは予期していなかったものが生まれたり、発想が具体化できたりするところ。一方で、プロンプトによっては極端に強いマシンや既存のキャラクターを模したマシンなどが生成できてしまうので、制限と自由のバランスを取りながら、最終的なアウトプットが豊かになるよう何度も調整を重ねました」(長谷川さん)。

3日間の会期中、会場全体には約4万4500人が来場した。当初は30分ごとに8台のマシンでレースを開催していたが、盛況により10分ごとに変更。最終的に1180台のマシンが生成され、大勢の人がレースを観覧するなど盛り上がりを見せた。

松本さんは「ゲームとして難しい操作がなくスキルの差が生まれにくいため、幅広い層がフラットに参加できる体験を実現できました。教育や福祉、地域のイベントなどにも応用できそうです」と展望を語る。

さらに会場では、業界内だけでなく事業会社からブランドとのコラボレーションなどの問い合わせが多く寄せられた。「企画・制作の両面で挑戦的な内容となりましたが、多くの人が楽しむ様子を目の前で見て手応えを感じました。この知見を活かして、今後も“泥の姿勢”を大事にしながら、テクノロジーを使ったエンタメ体験の提供などによって多様な課題解決に貢献していきたいです」(松本さん)

「TOKYO PROTOTYPE」会場に出展した「PROMPT RACING」の様子

「TOKYO PROTOTYPE」会場に出展した「PROMPT RACING」の様子

「TOKYO PROTOTYPE」会場に出展した「PROMPT RACING」の様子
「TOKYO PROTOTYPE」会場に出展した「PROMPT RACING」の様子

「TOKYO PROTOTYPE」会場に出展した「PROMPT RACING」の様子。

お問い合わせ

株式会社マッド(mud Inc.)

Mail:info@mud.co.jp
サイトURL:https://mud.co.jp/

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