熊本市のタクシー会社「熊本タクシー」が3月31日、公式Xに投稿した「今年はエイプリルフールやりません」というメッセージが話題を集めている。近年は、企業によるエイプリルフール施策が炎上するケースも増えており、コメント欄には同調や共感の声が多く寄せられた。
熊本タクシーは投稿で、「というか、基本的にやらない方向でいきます」としたうえで、「昨今、企業のエイプリルフールネタはもはや楽しんでもらう以上に炎上するリスクの方が高くなってます」と説明した。さらに「安全運転が第一のタクシー会社としてはリスクマネジメントの一環としてこのような対応となります」と述べ、投稿の意図を明かした。
3月31日の熊本タクシーの投稿
4月1日時点で、この投稿には150件以上のコメントが寄せられた。「その判断、むしろ信頼度上がりますね」「リスクマネジメントが素晴らしすぎる」といった反応が集まったほか、「年々炎上リスクの方が高くなってますよね。うちもやらない方向です」と、別の企業アカウントが同調する場面もあった。これに対し熊本タクシーは、「私も笑わせたいのであって燃えたいわけじゃないので、ここはリスクの方を取りました」と返している。
実際、企業のエイプリルフール施策をめぐる炎上は後を絶たない。2025年には、ほっかほっか亭が公式Xで「本日より全国のほっかほっか亭 全店舗にてライスの販売を停止します。誠に申し訳ございません。」と投稿した。米価高騰や値上げの空気が広がる中で、生活不安に触れる“リアルすぎる冗談”と受け止められ、批判が殺到。同日中に謝罪に追い込まれた。
2024年4月1日には、日本KFCホールディングスのKFC公式Xアカウントが「【重大発表】チキンの詰め放題が可能に!?」と投稿した。専用バーレルにチキンを好きなだけ詰め込めるという内容で、開始時間は「夕方4時1分」、限定41人、価格401円と、イメージ写真付きで具体的に告知していた。末尾には「#エイプリルフール」と付けていたものの、「度が過ぎている」「店舗に人が殺到しそう」「企業倫理を問われる」「迷惑がかからない嘘にしてほしい」などの批判が相次ぎ、一部では本気で来店を検討したり困惑したりする声も上がった。
同日中に公式Xで「今回はエイプリルフールの企画のため、実際の店舗開催は予定されていません」と案内した。
こうした状況を受け、今年の企業アカウントによるエイプリルフール投稿では、ひと目でネタだと分かるような記載を添えるケースが目立つ。一方で、ユーザーからは「ほしいと思ったらエイプリルフールだった」と落胆する声や、「寒い」と切り捨てる反応も少なくない。企業にとっては、話題化を狙う余地よりも、誤認や反発を避ける運用の重要性がいっそう高まっている。

