【書籍先行公開】クリエイターがマーケティングを学ぶ意義 ~ WhoとWhat

中村洋基さんのアドタイ人気コラム「迂闊鬼十則」が待望の書籍化!『計画しない人はうまくいく 帳尻合わせのキャリア論』として、4月14日に発売されます。その発売を記念し、書籍原稿の一部を本コラムにて先行公開いたします。

イメージ 書影

4月14日発売、予約受付中!
『計画しない人はうまくいく 帳尻合わせのキャリア論』

(中村洋基著、定価2,200円+税)
特殊なスキルもなく、偏差値35、就職活動は落ちこぼれ。そんな若者が、なぜ広告クリエイターとして300を超える賞を獲得し、何社も起業できたのか?そのコツを、見る前に跳び、とにかく大量行動・大量失敗しながら修正していく「帳尻合わせのキャリア論」として解説。キャリアに迷っている人のための、「考えるため」ではなく「動くため」の一冊。

P&Gマフィアの人に
「この商品をマーケティングしたいんスけど」
と相談すると、まずWhoとWhatはなんなんだオラ、という話になる。

マーケティングとは、現状ある限られたリソースを活用し売上や効率を最高にするための戦略と技術である。その中心は、
「誰に何と訴えかければ、この商品はもっとも売れるのか」
という謎を解き明かすことにある。

Whoは、その商品を設計するときに思い描いていたターゲット像のTOP3を仮説として置いておく。
次に、TOP3のターゲットに対して、それぞれのWhatを書いてみる。Whatとはつまり「ベネフィット+RTB」のセットだ。
ベネフィットは「便益」と訳せる。便利で利益があるってことだ。
「ヒートテックはあたたかい」
「宝くじは当たったら3億ももらえる」
「日経を読むとビジネスに強くなる」
という直裁的なイイコトである。

RTBは、Reason to Believeの略で、そのベネフィットを下支えする理由=商品特性だ。
これら3つをセットで語ると、具体的な「売り文句」になる。

たとえば、ユニクロのヒートテックは、寒い朝から働きに出る労働者(Who)にとって、動きやすくあたたかい(便益)。ヒートテックなら、体から発する汗や水蒸気を熱に変えるメカニズムがある(RTB)から。

メルカリは、不用品を処分したい人(Who)にとって、簡単に売れてお金になる(便益)。スマホで写真を撮って出品するだけ、ユーザー数が多いからすぐ売れる(RTB)。

レッドブルは、眠気と戦うビジネスパーソンや学生(Who)にとって、集中力が高まりパフォーマンスが上がる(便益)。カフェインとタウリンの化学的配合(RTB)がその秘訣。

などなど、理解できれば非常に納得感のある構造なのではないだろうか。

マーケターは、このWho、What、RTBの組み合わせをおよそ思いつく限りすべて出し切って、信憑性の高いものから順にソートする。そして、そのすべての組み合わせを、すでにロイヤルユーザーになっている顧客や、これから買ってくれそうな見込み顧客に
「どう言われたら、一番買いたくなっちゃいますか?」
とぶつける。これがいわゆる定性調査、N1調査である。
引き出すのがうまい人がN1調査をすると、その会話の中で、思いもしなかった新たなターゲットインサイトやベネフィットが見つかることがある。

さらに、N1調査でもっとも高いと評価された組み合わせ(マーケティングコンセプト)を、100人、1000人の市場アンケートをとって確認する。定性で得たコンセプトを定量でたしかめ算することによって、もっとも効率のよいWhoとWhatの組み合わせをまず確定し、その結果どういう攻め手(How)がもっとも効果的か、という戦術に入る。
マーケターでなくとも、このWhoとWhatを言語化・定義する技術は非常に重要で、あらゆる商売やアクションに利用できる。

WhoとWhatが揃わず、空気だけでなんとなく売れている商品は存在しない。だからマーケターたちは「WhoとWhatが正しければ必ず商品は売れる」と信じている。

世の広告クリエイターの中には
「広告なんて最近誰も信じてないから、売上なんて上がらないっスよ」
などと斜に構える若者もいる。広告制作者よりマーケターのほうがむしろ広告の力をピュアに信じていると知ると、恥ずかしくなる。
あなたの目の前にある商品やグッズ、推しのWhoとWhatは何だろうか?
ぜひ推理して、言語化する練習をしてみよう。

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迂闊鬼十則 〜 うかつなヤツがトクするキャリアの法則
中村洋基(PARTY / combo 起業・投資家)

PARTY Creative Director / Founder

combo 代表取締役

電通デジタル 客員エクゼクティブクリエイティブディレクター

FIELD MANAGEMENT EXPAND エクゼクティブクリエイティブディレクター

予防医療普及協会 理事



電通にて斬新なアプローチのバナー広告を次々と発表、多数の話題になったデジタルキャンペーンも手がける。2011年PARTY設立。国内外300以上の受賞歴があり、審査員歴多数。ヤフーMS統括本部ECDを兼任し、広告領域のビジネス開発を担う。TOKYO FM「澤本・権八のすぐに終わりますから」司会・パーソナリティ。青山のコーヒーショップ「TINTO COFFEE」運営。「新しいコミュニケーションをつくる」ことが目標。

中村洋基(PARTY / combo 起業・投資家)

PARTY Creative Director / Founder

combo 代表取締役

電通デジタル 客員エクゼクティブクリエイティブディレクター

FIELD MANAGEMENT EXPAND エクゼクティブクリエイティブディレクター

予防医療普及協会 理事



電通にて斬新なアプローチのバナー広告を次々と発表、多数の話題になったデジタルキャンペーンも手がける。2011年PARTY設立。国内外300以上の受賞歴があり、審査員歴多数。ヤフーMS統括本部ECDを兼任し、広告領域のビジネス開発を担う。TOKYO FM「澤本・権八のすぐに終わりますから」司会・パーソナリティ。青山のコーヒーショップ「TINTO COFFEE」運営。「新しいコミュニケーションをつくる」ことが目標。

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