講談社と大日本印刷(DNP)は6月15日、IJ Kakehashi Servicesと共同で、インド・デリーに出版社「Kodansha India」を7月に設立すると発表した。講談社の漫画などのコンテンツをインド向けの仕様にし、現地で製造・出版する。事業開始は2026年秋を予定している。
日本の総合出版社として初、進撃の巨人やブルーロックの現地出版
新会社では「進撃の巨人」や「ブルーロック」など講談社の人気コンテンツを、インド現地版としてマーケティング、製造、出版まで一貫して行う。新会社で出版する書籍の製造管理を担うDNPによると、日本の総合出版社がインドに現地法人を設立し、紙の書籍や漫画を出版するのは初めて。出資比率は講談社が81%、DNPが14%、IJ Kakehashi Servicesが5%。
漫画「進撃の巨人」「ブルーロック」など年200タイトルを英語やヒンディー語で現地出版する
背景にあるのは、インドにおける日本の漫画・アニメ人気の拡大だ。インドでは人口増加と経済成長を背景に、若年層を中心に日本の漫画などのファンが急速に拡大している。一方で、紙の書籍に対するニーズはあるものの、日本の漫画の流通量は少なく、現地ニーズに応えにくい状況だったという。
講談社はこれまでも、インド市場への足場づくりを進めてきた。2026年1月にインドへのスタディツアーを企画。デリーとハイデラバードを訪れ、メディア企業や制作スタジオ、アニメ配信企業のインド拠点、ゲーム開発企業などを視察する内容だった。ツアーの案内役は、15年にわたって講談社のインド事業を担い、退社後は日印間のIPビジネスを手がける古賀義章氏。講談社は、出版に先立ち、インドのエンタメ・メディア産業の現場に深く入り込もうとしていた。
KADOKAWA、ソニー、東映アニメもインドに照準
インドに照準を合わせる日本のIPホルダーは講談社だけではない。KADOKAWAは5月、国際マンガ賞「ワードレス漫画コンテスト」の受賞者による新連載「カンフー・カンフル」を漫画ポータルサイト「カドコミ」で開始した。カンフーやゴエモンといった日本やアジアのカルチャー要素を独自の感性で融合させたアクションコメディ。「ドラゴンボール」で育ったと語る作者はインド在住の兄弟漫画家ユニットmasterlynx(マスターリンクス)。同社による海外クリエイター向け創作支援プロジェクトから生まれた初の商業デビュー事例だという。インドは作品を届ける市場であると同時に、新たなクリエイターを発掘する場にもなりつつある。


