「懐かしい」で終わらせない“復活の方程式” 「平成の伝説」が続々帰還、モコモコ・鉄骨飲料・ピンキーは何を残し、何を変えたのか

永谷園は7月23日、カップケーキミックス「マグカップでふっくらケーキ!モコモコ」を12年ぶりに復活させると発表した。8月3日からバニラとチョコの2種類を全国で発売する。Xでは「絶対買う」「子どもと一緒に作りたい」といった声が広がった。

「平成レトロ」ブームを背景に、平成に親しまれた商品の復活が相次ぐ。最近ではサントリーの「鉄骨飲料」や湖池屋の「ピンキー」が令和の売り場に戻った。共通するのは、味やキャラクターといった記憶に残る要素は残しながら、機能や商品形態、広告表現を現在の生活者に合わせて更新している点だ。

永谷園の「モコモコ」

永谷園の「モコモコ」

復活要望500件超の「モコモコ」

「モコモコ」は、ミックス粉と卵1個をマグカップで混ぜ、電子レンジで加熱するとカップケーキが膨らむ商品。2000年に「マグカップでおしゃれなケーキ モコモコ」として発売され、2014年に販売を終了した。復活版は従来の箱入り2袋タイプから1回分の袋タイプに変更し、しっとりとした食感に改良した。

復活を後押ししたのは、終売後も寄せられ続けたファンの声だ。永谷園のお客さま相談室に届いた復活要望は500件を超え、SNSでは再現レシピを投稿する人も現れた。2019年には、当時の公式X担当者が「#モコモコ復活作戦」を始動。購入意向を尋ねるアンケートを実施したほか、商品開発部門への提案書作成、生産部門トップとの直接交渉、試作品の検討にも乗り出した。

ただ、商品化には利益を確保できる構造や生産工場などの条件を整える必要がある。社内全体を巻き込む動きには至らず、永谷園は2023年に「#モコモコ復活作戦」の終了を発表した。当時の担当者は「自分の無力さを思い知らされ、ただただ悔しい気持ちでした」と振り返っている。

永谷園は今回の商品発表に合わせ、かつて復活作戦を担った担当者への取材記事を公式noteで公開。単に「12年ぶりに再発売する」と告知するのではなく、2019年からの挑戦と挫折、ファンとのやり取りを一つの物語として提示した形だ。近日中には「モコモコふくらむ秘密」や開発ストーリーも公開する予定で、発売日に向けて情報を段階的に届ける。

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