「ムーアの法則を上回り、AIエージェントの性能は7カ月ごとに倍速している」——楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が、同社主催のビジネスカンファレンス「Rakuten AI Optimism」のオープニングキーノートおよびにセッション「AI時代の勝ち筋」に登壇し、AI時代における楽天の戦略と競争優位について語った。
「AIは避けられない革命」 ムーアの法則を超える進化速度
三木谷氏は冒頭、現在のAIの進化速度について強調した。従来の半導体業界で知られる「ムーアの法則」では1.5年で処理速度が倍増するとされているが、AIエージェントの性能は7カ月ごとに倍増しているという。「1年間で約4倍、2年間で16倍のことができるようになる」と述べ、「AIには無理だろうと思っていたことができるようになってしまう」と警鐘を鳴らした。
三木谷氏はまた、AIの現状水準についても言及。「難しいことは人間(の仕事)の75〜78パーセントぐらいまで来ている」とし、実務においても人間に近い水準に達しつつあるとの認識を示した。「少なくともちょっと複雑な作業は、もうAIができるようになってきた、ということをベースに我々も考えなくちゃいけない」と述べた。
「データがダイヤモンドの原石」 楽天エコシステムの強み
AIの活用において楽天が持つ競争優位として、三木谷氏が強調したのがデータの豊富さと楽天経済圏のエコシステムの一体性だ。「AIはあくまでも基本的には処理アルゴリズム。その方程式に入る変数はデータだから、データがダイヤモンドの原石である」と表現した。
楽天グループには毎月約4600万人のユーザーが何らかの経済活動を行っており、保有するデータは3兆を超えるという。EC・金融・通信・デジタルコンテンツなど70以上のサービスがエコシステム上で動いている点が、単一サービスを提供する他社との決定的な違いであるとした。
2025年には、AIによる利益創出が楽天グループ全体で255億円に上ったとも明らかにした。


