宣伝費大幅増でも過去最高益、ワークマン“空前の好決算”  販売費79%増で営業利益33%増、作業着メーカーをここまで変えた「巨艦主義」とは

ワークマンは8月3日、2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の決算を発表した。チェーン全店売上高は前年同期比18.6%増の675億6100万円、営業利益は33.3%増の120億3100万円。第1四半期として2期連続の増収増益となり、過去最高益を更新した。

特徴的なのは、テレビCMや製品発表会などへの投資を大幅に増やしながら、売上と利益をともに伸ばした点だ。広告・販促活動の費用を指す「販売費」は前年同期の5億5900万円から10億300万円へ79.3%増加した一方、販売費のほか人件費なども含む「販管費」全体の売上高比率は13.3%から13.0%へ低下した。広告・販促費を抑えて利益を確保したのではなく、積極的な投資を上回る増収によって収益性を高めた格好だ。

作業着メーカーの印象が強く、ヒット商品の品薄もたびたび課題となってきたワークマン。今期は一般消費者向け商品の訴求を強めるとともに、大量生産や在庫拡充による品薄対策を本格化した。さらに、タレントを起用したテレビCMを約13年ぶりに放映するなど、広告戦略も大きく転換している。過去最高益につながった施策と、その背景にある戦略を振り返る。

「クールUV遮熱サンシェードパーカー」

「看板商品不在」から5商品への集中投資へ

業績をけん引したのが、同社が今期から本格化した「マス化製品政策」だ。商品数を幅広くそろえる従来型の戦略から、独自性と販売規模の見込める商品へ在庫、販促、売場を集中させる方針へ転換した。

重点を置くのは、リカバリーウェア「MEDiHEAL(メディヒール)」、断熱・暑熱軽減ウェア「XShelter(エックスシェルター)」、UVカットウェア、ファンウェア・ペルチェベスト、機能性インナーの5商品群。各商品群でチェーン全店売上高の10%を目指し、一品を大量に生産することで利益率の向上も図る。

背景には、ワークマンを代表する看板商品が定まっていないという課題があった。「ワークマンの看板商品は何か」と尋ねると、社内外から約100通りの答えが返ってくる状態だったという。競合がフリースや肌着、ダウンなどで明確な主力商品を持つ中、売上を少数の大型商品に集中させる「巨艦主義」への転換を決めた。2028年3月期には、重点製品で売上高の約5割を占める計画を掲げている。

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