生活者の購入を共通指標に 部門を超えて「売上」に向き合う

大広 デジタルソリューション本部デジタルアカウント局 局長 兼 デジタルグロースグループ 部長 難波寛明氏
生活者の購買行動が複雑化する一方、企業のマーケティング活動は、広告・宣伝、マーケティング、販促・営業など、部門ごとに分断されがちだ。認知率やクリック率、店頭での販売実績など、評価指標もそれぞれ異なるため、広告や販促が最終的な購買にどれだけ貢献したのかを、社内で共通して説明することは難しい。
その結果、過去の慣習や担当者の経験則をもとに、予算やターゲット、クリエイティブが決まり、施策後になって目標達成に必要なリーチや購買率が足りなかったと判明することもある。これでは、広告を事業成長につながる投資として捉えることができない。
「部署をまたいでマーケティングを進めるには、共通の指標が必要です。施策をどのデータで評価し、改善していくのかを、部門を超えて合意することが求められています」(難波氏)。
そこで共通の指標となるのが、生活者が実際に商品を購入したという事実だ。大広は、流通企業が保有する購買データを起点に、リテールメディアの活用を支援している。広告枠の選定や配信運用だけではなく、目標とする購買者数から、必要なリーチ数や購買率、投資額を逆算。達成が難しい場合には、ターゲットやクリエイティブ、媒体構成まで見直す。
コストではなく「投資」に変えた広告設計

大広 デジタルソリューション本部デジタルアカウント局 デジタルグロースグループ プランナー 百瀬太陽氏
大広がリテールメディア活用をサポートした、ある夏商材では、新規顧客約21万人という目標を掲げていた。過去の実績から試算すると、従来水準の購買率0.4%では、5000万~6000万リーチが必要になる。しかし、予算や市場規模を踏まえると、そのままでは目標達成が難しいことが施策前に分かった。
そこで大広は、約2500万リーチを確保しながら、購買率を約0.84%まで高める計画へと再設計。ターゲットを20代女性から広げ、ノンタレントを予定していたクリエイティブにもタレントを起用するなど、広告施策全体を組み替えたという。
「目標の難易度を事前に把握できれば、達成するために何を変えるべきかを、広告を出す前に議論できます。予算ありきで配信するのではなく、購買目標から意思決定を変えられることが重要です」(百瀬氏)。
施策は2月から小規模に始め、媒体、ターゲット、フリークエンシーを変えながら、広告接触者と非接触者の実購買を比較。購買率や購買者1人あたりの広告費をもとに効果の高い組み合わせを見極め、6月の需要期には高効率で配信できる状態を整えた。購買目標から計画を逆算し、実購買で答え合わせをしながら改善する。大広は、リテールメディアを通じて、広告を売上につながる「投資」へ変えるところまで伴走している。
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