9月10日、美容、家電、日用品、気象情報といった業界の垣根を越えた総勢12の企業・ブランドが参画する「静電気オフプロジェクト」が発足した。これまで生活者が「冬だから仕方ない」と諦め見過ごされてきた、静電気や摩擦によるヘアダメージに着目した本取り組み。競合関係にある企業も交えた大規模なコンソーシアムが結成された背景には、緻密なデータによって浮き彫りになった「知られざる生活習慣」と、それに対する「新しい美容市場の創出」という狙いがある。
プロジェクトのキービジュアル。
9月10日開催の発表会の後半ではトークセッションを実施。プロジェクト理事長である毛髪診断士の齊藤あき氏をはじめ、ウェザーマップ、クラシエ、シャープ、ヤマサキ、マンダム、Rainmakersの各登壇者が参加し、「静電気と髪」「秋冬のヘアケアの新常識」をテーマに意見交換を行った。
1日500回におよぶ「無意識ヘアタッチ」の実態
本プロジェクトの核となるのが、生活者の無意識な行動がもたらす髪への影響を可視化した実証データだ。20代から50代の男女を対象とした行動観察実験により、人々は日常生活において平均して1日約518回も無意識に髪に触れる「無意識ヘアタッチ」を行っていることが判明した。
帯電技術・静電気制御の専門家である日本画像学会フェローの平林純氏が監修した検証実験によると、1日分の無意識ヘアタッチによる摩擦は、毛1本あたりの強度で換算すると「タオルで髪を包んでこする約520往復分」や「消しゴムで約120往復ゴシゴシこすった状態」と同等の負荷になるという。
さらに、乾燥した冬の環境(気温20℃・湿度30%想定)で髪をクシでとかした場合、頭髪全体で約0.65マイクロクーロンの静電気が発生する。これは冬場にドアノブに触れた際の「バチッ」という放電1回分に相当し、数千ボルト級に帯電した毛先が最大45度も反発して広がることが確認されている。
新概念「静電気オフ美容」の提唱
このように多大な負荷がかかっているにもかかわらず、この課題に対する消費者の認知は驚くほど低かった。全国の男女400名を対象にした意識調査では、無意識ヘアタッチが髪のダメージ原因になることを「知らない」と回答した人は76.3%。また、髪へのダメージ原因として「紫外線」や「熱」を過半数が挙げたのに対し、「静電気」を挙げた人はわずか18.0%だった。日常的にヘアケアを行う層であっても、その目的として「静電気対策」を重視する人は全体の12%に過ぎなかったという。


