甲州印伝の総本家、印傳屋 上原勇七は2月、甲州(山梨県)の魅力を世界に向けて発信することを目的としたWebムービーとテレビCMを公開した。
甲州印伝とは、江戸時代から400年以上にわたり伝承されてきた、鹿革に漆で模様付けする革工芸品。製品は革色、漆色、柄の組み合わせで構成され、柄には小桜・菖蒲・青海波・とんぼといった江戸小紋にも使われる伝統的な模様が用いられる。1987年には経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定された。
近年では海外での人気も高まっており、ラグジュアリーブランドとのコラボレーションのほか、2012年には海外向けオリジナルブランド「INDEN NEW YORK」をアメリカ、フランスで発表。独自の技法・伝統を守りながらも、時代に合わせた取り組みを積極的に展開している。
今回のムービー・CMのテーマは「甲州とともに、歩む。-Walk together with Koshu, Japan-」。2014年3~11月の9カ月にわたり、山梨県の各所を巡って撮影された。富士山、ブドウ、蛍、星空といった四季折々の自然、手漉和紙・鬼瓦などの職人の手仕事の現場、地元の人々が集う飲食店や祭り、そしてもちろん印伝製品が作られる過程も写し出される。甲州印伝のルーツを辿りながら、甲州の魅力、ひいては日本の魅力を紹介する映像となっている。企画制作は、朝日広告社とキラメキが手掛けた。
自然の美しさや儚さを生活に取り込み、文化として洗練させてきた日本人ならではの美意識を再認識できるような映像を通じて、「甲州発、日本の魅力を世界へ」をテーマとしたものづくりを行う同社の姿勢を表現した。
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