文:古川裕也
今年夏から秋にかけて、なんだかたくさん審査をした。
6月中旬:カンヌライオンズ・Creative Data部門
6月下旬:クリオ賞 フィルム部門審査員長
9月上旬:D&AD Impact・Humanitarian Aid部門
9月中旬:ACC賞 フィルム部門審査員長
グローバルが3つ。国内がひとつ。
フィルムが2つ。ソーシャル・イシューがひとつ。イノヴェーションがひとつ。
審査員長ふたつ。ふつうの審査員ふたつ。
審査員とは遣唐使のようなものなので、審査の内容をできる範囲でシェアしようかと。よく海外審査報告会やレポートのようなものがあるけれど、時間と文字数の関係もあってか、どうしても表層的になりがちで、なかなか本質に立ち至らない。それは、報告を聴く側ではなく、遣唐使側に責任がある。
重要なのは歴史的流れ、それも表現レベルとインダストリー・レベルの。それと、アワード自体が抱えている問題。どちらも、俯瞰しないとわからない。
それぞれのアワードの話と全体の話も少し。
1 Cannes Lions Creative Data部門
カンヌ本体とは切り離して、innovation lionsができたのが4年前。ショートリストに残ると、審査員の前でプレゼンして質問を受ける。その模様はライブで見ることができる。「スター誕生」方式というか「マネーの虎」方式というか。