
食品メーカーのヤタロー(静岡・浜松)が展開するバウムクーヘンブランド「治一郎」は、3月1日から、期間限定の紙袋「言葉を贈る手提げ」(無料)の提供を開始した。正面には白い花が描かれており、その中央の部分に「感謝の気持ちです」「元気でいてね」「よい春を」などの黄色のメッセージシールを貼って、人に贈ることができる。シールは全8 種類。購入者が好きなメッセージを書けるように、空欄のシールも1枚付いている。

手提げのサイズは大小2 種で、それぞれピンク色と黄緑色。購入商品のサイズに合った手提げに入れ、シールシートと共に提供した。

デザインと花のイラストを担当したのはアートディレクターの安藤真理さん(marii)、コピーを考えたのは石本香緒理さん(AO CHAN)。ヤタローで「治一郎」ブランドを担当する長谷川ちひろさんからは「出会いも別れもあり、人の想いが交差することの多い春に合わせた、言葉を贈ることができるデザインを考えてほしい」と話があった。
そこからまず、デザインの軸となるコンセプトコピーを石本さんが考えた。「春にもらった言葉は、ずっと、あたたかい。」から始まり、「ひと言で、ひと味ちがう贈り物。」で締めくくられるコピー。「購入者にとってきっと一番嬉しいのは、贈り物をあげた相手が喜んでくれる瞬間。そこにフォーカスしました」と石本さんは説明する。

安藤さんは、誰かが誰かに「言葉を贈る」というテーマから、左右の花びらの形が向かい合う人の横顔になっている白い花のイラストを制作。中央にシールを貼ることで、人から人にメッセージが伝わる様子を表そうと考えた。「花をモチーフにしたのは、誰かへの贈り物の象徴であり、春にぴったりだから」(安藤さん)。切り絵のようなクラフト感のあるイラストに仕上げている。
大きいサイズの手提げは17 万枚、小さい方は約8 万枚を用意し、「治一郎」の全国28 店舗で使用。旗艦商品の「治一郎のバウムクーヘン」のみ、包装紙でも本デザインを採用した。

さらに店員向けには、手提げと同じ花のデザインのバッジも制作。手提げ同様に、中央の部分に好きなメッセージのシールを選んで貼れるようになっている。各店では「言葉を贈る手提げ」のデザインをきっかけに、来店客との会話も生まれている。



スタッフリスト
- 企画制作
- ヤタロー+marii+AO CHAN
- AD+D+I
- 安藤真理
- C
- 石本香緒理
- 撮影(手提げ)
- 早川佳郎