日本の青切符導入に思う「ルールより、守れる環境を」。ポートランドの自転車事情と公共広報のあり方

最近、日本で車を運転している時に、気になっていることがあります。車がすぐ横を通るような細い道路で、車道の左端をおじいちゃんが自転車で走っていたり、夕方薄暗くなっている中、まだ小柄な高校生が狭い車道のこれまた狭い白線の中を、時たま飛び出しながら走ったりしているのです。

私は対向車が来ないタイミングで大きく避けて、ゆっくり追い越すわけですが、そのたびに、なぜ弱い自転車が「危ない」「怖い」という思いをしながら道路を通らなければならないのだろう?と思うのです。

2026年4月に道路交通法が改正されました。ルールが強化され、青切符(反則金)制度が始まりました。自転車は車道の左側を走ることが原則、守らなければ最大1万2000円の反則金が科されることになりました。ゆえに、あのおじいちゃんも高校生も正しいのです。

ポートランドは「自転車のまち」として知られている。

私が2019年から6年間暮らしていた米国のポートランド(オレゴン州)は「自転車のまち」として知られています。ポートランドの自転車事情を紹介しながら、この自転車のルールについて考えてみたいと思います。

なぜ改正が行われたのか?データから、その構造を見てみよう

そもそもなぜ、2026年4月から青切符制度が導入されたのかを見ておきましょう。以下のようにルールが改正され、信号無視や逆走、ながらスマホなどの違反行為に反則金が科されるようになりました。

出典:警察庁の資料をもとに筆者作成

多くの自転車が車道を走るように変わったのは、「通行区分違反」に反則金が課されるようになったからでしょう。この青切符の導入の背景には、自転車が加害となっている事故の約4分の3が自転車側の法令違反(※1)という事実があるそうです。

しかしながら、全体の自転車の事故の8割は自動車との事故で、加害事故自体は24%程度。さらに私が気になっている「通行区分違反による加害事故」のそのうちの1%程度でした。

ちなみに法令違反は、安全運転義務違反が63%を占めるのですが、これは、信号を無視したとか、スマホを見ていたとか、そういう意図的な違反ではなく、ハンドル操作不適などなので「前方の確認が足りなかった」「だろう運転をしてしまった」「ブレーキが間に合わなかった」──そういう、過失的なものがほとんどだったようです。

そもそも自動車との事故がほとんどですし、罰則を強化して減るのかな?と個人的に思いつつ、白線1本しかない車道で、後ろから車が追い抜いていくスレスレのところで自転車に乗る人は、前方への集中よりも、後方への緊張の方が大きくなります(実際にとても気にしながらみなさん運転していて、後ろを走っていると申し訳ない気持ちになります)。前方不注意が増えさえしそう、と思うのです。

これはあくまでも推論です。わたしは専門家ではありませんから。決して、ここで自転車の青切符が正しいか間違いか、そういう問いを立てたいわけではありません。

伝えたいのは、ルールより、守れる環境づくりを先にしたいよね、という話です。

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ポートランドの暮らしの中で考える「企業と社会課題の関係」
松原佳代(広報コンサルタント/みずたまラボラトリー 代表)

スタートアップの広報育成・支援を手がける「みずたまラボラトリー」代表。お茶の水女子大学卒業後、コンサルティング会社、出版社を経て、2005年に面白法人カヤックに入社。広報部長、事業部長を兼任したのち子会社カヤックLivingの代表取締役に就任。移住事業の立ち上げに参画。2019年、家族で米国ポートランドに移住。一方、2015年に自身の会社「みずたまラボラトリー」を設立し、広報戦略、事業開発、経営全般にわたる経験と実績を活かしスタートアップの広報育成と支援を展開。富山県出身。富山県の経営戦略会議ウェルビーイング戦略プロジェクトチーム委員も務める。

松原佳代(広報コンサルタント/みずたまラボラトリー 代表)

スタートアップの広報育成・支援を手がける「みずたまラボラトリー」代表。お茶の水女子大学卒業後、コンサルティング会社、出版社を経て、2005年に面白法人カヤックに入社。広報部長、事業部長を兼任したのち子会社カヤックLivingの代表取締役に就任。移住事業の立ち上げに参画。2019年、家族で米国ポートランドに移住。一方、2015年に自身の会社「みずたまラボラトリー」を設立し、広報戦略、事業開発、経営全般にわたる経験と実績を活かしスタートアップの広報育成と支援を展開。富山県出身。富山県の経営戦略会議ウェルビーイング戦略プロジェクトチーム委員も務める。

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