スマートグラスとGeminiで介護現場の“暗黙知”を「14の心得」に 電通 FCC、NPOと協同で

電通 Future Creative Centerが全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会と連携し、スマートグラスとGeminiを用いた「良い介護」をモデル化した。現場の介護職員の暗黙知を共有可能にした「ケアのまなざし」の普及を目指す。
ポスター 「ケアのまなざし」ポスター。

「ケアのまなざし」ポスター。

現場で体感した「良い介護」と課題

電通 Future Creative Centerは、広告の枠を超えた未来づくりに、クリエイティビティーで挑戦する集団だ。コミュニケーションクリエイター/コピーライターの小橋元樹さんは、高齢者が豊かに暮らせる社会の実現を目指す「シニアプレイヤープロジェクト」を進める中で、ある介護施設と出会い、そこで認知症の利用者が豚カツを揚げる話を聞いた。

「介護施設では、火や油を使った調理は安全面から制限されます。でもその施設の職員さんたちは、調理ができる方法を探している。ご本人の意欲に伴走する姿勢に衝撃を受けました」(小橋さん)。

クライアントは全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会だ。加盟施設は600を超え、「これまでどおりの暮らしを続けたい」という当事者の思いに寄り添う。

「現場には『あの人はすごい』と言われるような職員の方々がたくさんいました。ただ、そもそも介護は介助の所作、声かけ、思想など、職員によっても、相手によっても違うもので共有が難しい。現場は人材不足に加え『介護の属人化』という二重の危機に直面しています。良い介護を未来に繋げるために暗黙知の可視化とモデル化が必要と感じました」と小橋さんは話す。

スマートグラスとGeminiでモデル化

「暗黙知の可視化」を目標に着目したのが、Tobiiのアイトラッカー型スマートグラスとGoogle Geminiだ。職員がスマートグラスをかけて介護を行うと、一人称視点の映像と音声、さらに視線の動きが記録される。その映像をGeminiに送ると、「何を見て・何をしたか」が時系列で出力される。2025年夏の実証では、全国の施設から159本の映像が集まった。

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