地震リスクに関する最新の研究結果が英科学誌『ネイチャー(Nature)』に発表された。研究を行ったのは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の野田博之研究員と米カリフォルニア工科大学のナディア・ラプスタ教授による研究チームだ。野田研究員とラプスタ教授が、2011年3月11日に起きたマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震のコンピューターモデルを作成し、分析を行ったところ、通説を覆す断層の性質が明らかになったという。
東北地方太平洋沖地震は、太平洋プレート(岩板)がオホーツクプレートの下に沈みこむ日本海溝で起きた。震源は仙台から約200㎞沖の海底のひし形をした領域の中心部だったが、ここはプレートの動きがスムーズで安定しているため、震災以前は安定した場所だと見られていた。通説では、この安定した動きによってひずみの蓄積が防止され、地震発生の可能性を弱めていると考えられてきたのだ。
しかし、今回の研究で、安定した動きを長期間続けている断層でも、近くで起きる地震の影響により強度が弱まることが分かった。また、地質活動によって熱せられた地質流体が浸透すると、これが潤滑剤の役割を果たして大きなずれを誘発することも分かったという。
東日本大震災により、通説が覆されたことは「日本の地震対策のみならず、米カリフォルニア州のサンアンドレアス断層など、類似の特徴を持つ世界各地の断層で起こりうる地震への対策に影響をもたらすものだ」と研究チームは述べている。
フランス通信社(AFP)の取材に応じた野田研究員は、「安定して動く断層セグメントは地震発生を防ぐ役割を果たすとされていたが、今回の研究により大地震の発生源となりうることが示された」と述べた。
AFPは「野田研究員とラプスタ教授は、この研究結果が日本政府の地震対策に組み込まれることを期待している」と報じている。また、今回の研究結果を受けて、米カリフォルニア州の太平洋岸沿いに延びるサンアンドレアス断層での地震リスク評価も見直しが迫られる可能性があるという。
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