商品開発は「ロジック」「センス」「ラブ」で決まる――MTDO田子學氏インタビュー

ここでは、『ブレーン』2014年12月号に掲載された記事を転載します。


商品開発する上で企業とクリエイターの協業がうまく進まないことがある。企業との仕事の進め方、チームのつくり方、運営の仕方についてなぜいまデザインマネジメントが必要なのか。鳴海製陶、OSORO、最近ではスタートアップ企業16Labのウェアラブルデバイスをデザインした田子學さんに聞いた。

Apple、Googleのように経営者はデザイナーであるべき

田子 學 MTDO

私はいつも、経営者がデザイナーになった方が良いと言っています。Apple やGoogle、ダイソンも経営者がデザイナーか、その感覚を持っていて、そこが強みとなっています。ですが、日本では未だにデザインを意匠、物の色や形といった後で付加する商品の一部分でしかないと思っている人が多い。

デザインというのは言葉を掘り下げると「計画」です。計画というのは、企んで、そのビジョンをいかに実行するかということです。予算がこれくらいあるから、こうして使いましょうということは「計画書」と書いていてもそれは「予定」でしかありません。東芝の経営者だった土光敏夫さんは「計画というのはまったく見えないから計画なんだ」と言っています。見える範囲のことは予定でしかない、自分達がやるのは計画だ、というのは正にイノベーションの話だと思います。

しかし現場でよく目にする問題としては、日本ではどうしてもハードウェアありきで開発してしまう点があげられます。ハードウェアが先に決まってしまうことによって、その枠組みの範囲内でできることしか考えられなくなる、つまりなかなかはみ出すことができない。ソフトウェアのアップデートに対応するハードウェアがなければ、適正な価値提供ではなくなってしまいます。

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